2017-11-30 08:00
政治
オックスフォード市議会、スーチー氏の「名誉市民」称号を剥奪

スーチー氏は「暴力に盲目的」
イングランドのオックスフォード市議会は11月27日、ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー氏に授与した名誉市民の称号「フリーダム・オブ・ザ・シティ・オブ・オックスフォード(Freedom of the City of Oxford)」の剥奪を全会一致で議決した。オックスフォード市議会は、ミャンマー・ラカイン州でイスラム系少数民族「ロヒンギャ」に対する暴力に関して行動を起こさないスーチー氏を「暴力に盲目的」と表現し、そのような人を称賛したくないという。
また、スーチー氏が「暴力に盲目的」に見えることで、オックスフォードのイメージが傷ついたと剥奪の理由を明かしている。
スーチー氏の称号剥奪を提案した市会議員のメアリー・クラークソン氏は、
「オックスフォードは多様で人道的な都市という長い伝統を持っており、暴力から目を背ける人を称えれば我々の評判を落とすことになる」(NEWS STRAITS TIMEより)
と語った上で、「ロヒンギャの人権と正義を求めている人たちが、我々の小さな声を加えてくれることを願っている」(NEWS STRAITS TIMEより)
とつけ加えた。なお、スーチー氏はミャンマーの民主化のために戦っていた1997年に、オックスフォード市より同称号を授与されている。
スーチー氏に対して国際社会から強い懸念
ミャンマーでは、8月に反政府勢力が警察署を襲撃して以来、治安部隊によるロヒンギャへの殺人、強姦、拷問などが行われているという報告があり、62万人以上がバングラデシュへ逃避している。国連はミャンマーで起きていることを「民族浄化の教科書の例」と断定。しかし、スーチー氏とミャンマー政府は、民族浄化を否定している。
ロヒンギャへの暴力に対して行動を起こさないスーチー氏に対して、国際社会からは強い懸念が示されており、13日にはミュージシャンであり活動家でもあるボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)氏が、アイルランド・ダブリンの名誉市民を返上することでスーチー氏に抗議。
また、1990年にスーチー氏に授与されたノーベル平和賞の剥奪を訴える声も上がっている。
スーチー氏のオックスフォード名誉市民の称号が議決された日、国軍の最高司令官は「ミャンマーに民族的な差別はない」と明言したという。
(画像はINDEPENDENTより)
外部リンク
Suu Kyi stripped of Oxford award for 'turning blind eye to Rohingya crisis'
https://www.nst.com.my/
Oxford strips Aung San Suu Kyi of Freedom of the City
http://www.independent.co.uk/
Rohingya crisis: Aung San Suu Kyi stripped of Freedom of Oxford
http://www.itv.com/
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