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2017-11-29 13:00

社会

国軍最高司令官「ミャンマーに宗教的な差別はない」とローマ教皇に断言

ローマ教皇
宗教上の差別は“全く”ない
3日間の予定でミャンマーとバングラデシュを訪問しているカトリック教徒の精神的指導者であるフランシスコ教皇は11月27日、東南アジア最大の都市ヤンゴンの中心にあるセントメアリー大聖堂で、ミン・アウン・フライン国軍最高司令官と会談した。

仏教徒が多くを占めるミャンマーでは、8月25日に反政府勢力がラカイン州の警察署等を襲撃して以来、治安部隊によるイスラム系少数民族ロヒンギャに対する人権侵害が強まり、国際社会から非難の声が上がり、米国は「民族浄化」だと懸念を示している。

これまでに露見した治安部隊によるロヒンギャへの攻撃は、無差別殺人、暴力、強姦、放火などである。

国際社会から非難の声が上がっているにも関わらず、ミン・アウン・フライン国軍最高司令官はローマ教皇との会談で、
「ミャンマーには宗教上の差別は全くない」(arab newsより)
と述べたという。

「安定した平和な国を建設」するためにロヒンギャを排除?
同国軍最高司令官はFacebookに掲載された声明で、
「すべての兵士の目標は、安定した平和な国を建設することだ」(REUTERSより)
とも述べており、治安部隊によるロヒンギャへの暴力等を否定している。

ミャンマーでは長期にわたりロヒンギャを国民とは認めておらず、バングラデシュからの難民だとしている。

このような事実から、国軍最高司令官が述べた「安定した平和な国を建設」するために、ロヒンギャを排除しているとも受け取れるのではないだろうか。

23日には、ミャンマーとバングラデシュの間で、ロヒンギャ帰還に関する同意が締結されたが、国際機関の中には「彼らが帰還するための条件はまだ整っていない」と述べ、体系的な差別が継続されることを懸念している。

このような緊張状況が続いていることもあり、ローマ教皇のミャンマー訪問は国内だけでなく、国際社会からも注目が集まっていた。

なお、ローマ教皇は27日、ロヒンギャが避難しているバングラデシュへ向かう前に、事実上のリーダーであるアウンサンスーチー国家特別顧問と会談する予定である。

(画像はRadio Free Asiaより)


外部リンク

Pope meets Myanmar's military chief in shadow of Rohingya crisis
https://uk.reuters.com/

Pope Meets Myanmar Military Commander During Visit to Yangon
http://www.rfa.org/

Myanmar has ‘no religious discrimination’, army chief tells Pope
http://www.arabnews.com/

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