2015-01-24 05:00
社会
極右ミャンマー仏教僧が国連特使を「売春婦」と罵倒

国連高等弁務官が抗議
昨年6月より国連の人権問題特別報告者となった韓国人の李亮喜(Yanghee Lee)氏が調査のためにミャンマーを訪問した際、同国の極右仏教僧アシン・ウィラス(Ashin Wirathu)氏に「売春婦」などと罵倒され問題となっている。これを受けて国連人権高等弁務官事務所のザイド・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)高等弁務官は、「性差別的で侮辱的な言動。到底受け入れられない」と抗議した。
李氏はイスラム系少数民族のロヒンギャがラカイン州などで差別や攻撃を受けている現状に批判的な見解を示しており、今回の罵倒騒動もアシン僧侶の反イスラム主義に火をつけたということだろう。
アシン僧侶は反イスラムの「969運動」の精神的指導者で、2003年にイスラムへの暴力を煽動したとして投獄。9年後の釈放以来、反イスラム運動を拡大している。
批判されるもお咎めなし
アシン僧侶は969運動の集会で「国連で地位があるからといって立派な人とは限らない。我々の国ではただの売春婦だ」と李氏を非難した。マンダレーにある進歩的なサフラン革命仏教僧ネットワークの主要メンバーも同僧侶の発言を非難。仏教を傷つける行為だとしている。
これに対し、批判の嵐に見舞われたアシン僧侶は、
「もし私がより不快な言葉を見つけられれば、それを使っていただろう。彼女(李氏)がこの国にしたことと比べれば(私の言ったことは)大したことではない」(Bangkok Postより)
と悪びれた様子もなく語っている。また、ミャンマー宗務省(Ministry of Religious Affairs)の高官は、アシン僧侶には表現の自由があるが罵倒するような言葉を使用するべきではなかったとしながらも、注意喚起などの予定はないようだ。
ミャンマーでは、仏教は国を支配する宗教であり、その僧侶は尊敬される存在である。
しかし、李氏は自分の仕事をしているだけで個人的な攻撃を受ける理由はない。この罵倒問題で、アシン僧侶の視野の狭さが浮き彫りになってしまったといってもいいだろう。
(画像はBangkok Postより)
外部リンク
Myanmar’s Extremist Monk Doesn’t Regret Calling UN Envoy a ‘Whore’
https://news.vice.com/article/myanmars
Myanmar monk who called UN envoy a whore 'could hurt Buddhism'
http://www.abc.net.au/news/myanmar
Myanmar to look into monk 'whore' slur after UN reproach
http://www.bangkokpost.com/news/asean/
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