2014-08-27 15:00
政治
ミャンマー、ASEAN議長国としての評価高まる

「ネピドー宣言」による中国けん制
2014年、ミャンマーが東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長国として任命されてから半年以上が経過した。1997年の加盟から17年、初めて務めた議長国として、ミャンマーに対する評価が高まっている。(画像:ASEANホームページ)
最も注目される業績は、5月10日から11日にかけてミャンマーのネピドーにて開催された、ASEAN首脳会議における「ネピドー宣言」の採択であろう。「ネピドー宣言」では、中国船とベトナム船の衝突により緊張が高まる南シナ海の情勢について触れ、関係国に自制と武力の不使用を求めた。
ASEAN諸国が一致団結して中国をけん制する宣言を行ったことは注目に値する。今回の議長国就任にあたり、ミャンマーが表明したスローガン、"Moving forward in unity to a peaceful and prosperous community"―「平和で繁栄したコミュニティ実現のために一致団結して前進する」を実現したと言えるだろう。
中国依存からの脱却へ
さらに、翌日に発表された議長声明では、南シナ海の情勢について、「深刻な懸念」を表明した。この文言は、中国の反発を懸念して、ネピドー宣言に盛り込むことは見送られていたものである。議長声明において一歩踏み込んだ表現をすることによって、ミャンマーはこれまでの中国依存から脱する意思をより明確にした。ミャンマーのASEAN加盟は1997年。新規参入組ではあるものの、その分、従来の議長国の対応に学び、効果的な会議の運営が可能になったと見られている。ASEANを世界情勢の中でどう位置づけていくか、長期的な視野を持ってASEAN諸国間のコンセンサスを形成することができた。
今回の会議においては、南シナ海情勢の他、マレーシア航空機事故やウクライナ情勢などの新しい諸問題についても言及された。一方、ミャンマーが以前から実現を希望していた、すべての核保有国に対する、東南アジア非核兵器地帯条約への調印に関する問題は棚上げとなった。
外部リンク
東南アジア諸国連合(ASEAN)ホームページ
http://www.asean.org/
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