2014-02-27 10:00
社会
メディアの倫理に反する?大統領の画像加工について考える

ダンサーと大統領を並列 画像加工は報道の自由?
テインセイン大統領の肖像を加工した画像について、意見が交わされている。(画像:Irrawaddyより)
2月23日、メディアの倫理に関するニュースを紹介するNPO、iMedia Ethicsは、テインセイン大統領にまつわる2枚の写真を取り上げ、話題にした。
1枚はウィキペディアから入手したと思われる大統領の肖像と、ミャンマーの伝統衣装を着たダンサーが並んだ写真。もう1枚は、ダンサーの衣装を身につけた大統領の写真で、ニュースマガジンThe Right Time weeklyに掲載されている。2枚ともフォトショップで加工した画像だ。
はたしてこの大統領の肖像は、メディアの倫理を脅かすものなのか、「報道の自由」のもとに認められるものなのだろうか。
検閲廃止後も政府は保守的 画像加工が与える影響を懸念
ヤンゴンタイムスの編集者のココ氏は、私たちはジャーナリストとしての道徳、倫理を確立させようとしている。今回のことはそれを脅かしている。(iMedia Ethicsより)
と意見している。また、フォトショップによる画像加工が、今後メディアに与える影響についても憂慮している。
政府関係者は、写真の加工について「無礼なこと」と感想を述べた。大統領オフィスの1人はTwitter と Facebook で、「これが報道の自由なのか?」と問いかけた。しかし、この書き込みはすぐに削除されたということだ。
バンコクのジャーナリスト保護団体からは、
重要なことは、大統領の写真にフォトショップが使用されたということではない。どのように加工されたかということだ。(iMedia Ethicsより)
という意見が届いている。
イラワジ・ニュースでは、加工された画像は、
現代の大統領と伝統的な衣装という2つを並べることで、ミャンマーが抱える民族の歴史を表現している。(iMedia Ethicsより)
と解釈している。また、
真の報道の自由が認められている国では、このようなことは普通に行われることだ。政府関係者は表現についての批判を差し控えるべきではないか。(iMedia Ethicsより)
とも意見した。
2012年、出版物に対する検閲が廃止されたとは言え、政府当局はメディアに対して敏感に反応を示しているのが実情だ。iMedia Ethicsでは、この問題についての詳細を追い続け、報告していくとしている。
外部リンク
iMedia Ethics
http://www.imediaethics.org/
Irrawaddy
http://www.irrawaddy.org/
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