2022-04-04 10:00
社会
国際人権団体、ロヒンギャ女性をミャンマーへ強制送還したインドを非難

ミャンマーへのロヒンギャ強制送還の停止を要請
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は3月31日、同月22日にイスラム系少数民族のロヒンギャ難民女性をミャンマーへ強制送還したインド政府を非難し、ミャンマーへのロヒンギャ強制送還を停止すべきとの見解を示した。HRWの南アジア局長は、
「ミャンマーでロヒンギャ難民の命と自由が危険にさらされているという証拠が山ほどあるにもかかわらず、ロヒンギャ難民を追放するという政府の決定は、人命と国際法に対する残酷な無視を示している」(プレスリリースより)
と述べている。強制送還されたロヒンギャ女性はすでにUNHCRに難民として登録されており、2021年3月6日にジャンムー・カシミール当局により拘束された1人で、当局が検証プロセスの一環として収容センターに送ったという。
2022年3月21日のマニプール州人権委員会による国外追放の保留命令にもかかわらず、当局は女性を強制的にミャンマーに返還している。
なお、国際法では難民の命や自由が脅かされる場所への難民の強制送還を禁じている。
反ロヒンギャ作戦で家屋焼失も
HRWは、「ロヒンギャ女性をミャンマーに強制送還したことで、インドにいるロヒンギャ難民が直面している生命を脅かすリスクを浮き彫りにしている」(プレスリリースより)
と述べている。HRWによると、インドにいるロヒンギャ難民は、厳格な制限、恣意的拘禁、政治指導者により引き起こされる暴力的な攻撃、および強制返還のリスクの高まりに直面しているという。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、現在少なくとも240人のロヒンギャがインドへの違法な入国の罪で拘留されていると報告。さらに、約39人が首都デリーの避難所に拘留されており、他の235人が北部ジャンムーの収容所に拘留されているという。
インドの超国家主義のヒンズー教グループは、ロヒンギャを「テロリスト」だと主張し、公に反ロヒンギャ作戦を展開し、ロヒンギャの家への放火攻撃を含む暴力を自警団スタイルで扇動。2018年には、デリーのロヒンギャ集落で少なくとも50戸の家屋が焼失したという。
(画像はプレスリリースより)
(C)AP Photo/Channi Anand
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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