2022-02-19 09:00
社会
ミャンマー軍事政権、厳格なサイバーセキュリティ法案を復活

自由な表現と情報へのアクセスをさらに破壊
国際的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は2月15日、ミャンマーの軍事政権が当局に全面的な権利を提供するであろう厳格なサイバーセキュリティ法案を復活させたことを明らかにした。HRWによると、現在の草案は2021年2月1日の軍事クーデター以来権力を握る軍事政権がユーザーデータにアクセスし、ウェブサイトをブロックし、インターネットのシャットダウンを命じ、批評家や規則に従わない企業の代表を起訴することが可能だという。
サイバーセキュリティ法は軍事クーデターの1週間後に最初に提案され、仮想プライベートネットワーク(VPN)の使用を禁止し、裁判での特定証拠の必要性を廃止し、オンラインサービスプロバイダーにオンラインの批判をブロックまたは削除することを要求する新しい条項が含まれている。
HRWのアジア法務顧問であるリンダ・ラクディール氏は、
「軍事政権はこの法案を破棄すべきであり、それは国中の自由な表現と情報へのアクセスをさらに破壊するだろう」(プレスリリースより)
と述べている。軍事政権に有利な法案
この法案はソーシャルメディアやその他のコンテンツ共有プラットフォームだけでなく、デジタルマーケットプレイス、検索エンジン、金融サービス、データ処理サービス、およびメッセージ、ビデオ通話、ゲームを提供する通信サービスにも適用される。同法案の下では、サイバーセキュリティに対処する権限を与えられた省庁からの特別な許可なしにインターネットを閲覧するためにVPNを使用することは、犯罪になるという。
また、新たに追加された規定により、当局はコンテンツが「人の社会的地位と生計を損なう」という「正当な苦情」があるコンテンツをブロックまたは削除するようにデジタルプラットフォームサービスプロバイダーに命じることができる。
その場合、情報が虚偽である必要はなく裁判所命令も必要ないため、
「事実上、当局は個々の軍事指導者または軍事政権に関連する人々に批判的なコンテンツの削除を命じることができる」(プレスリリースより)
とHRWは見解を示した。なお、米国や英国などの商工会議所は1月末に共同声明を発表し、同法案が施行された場合、ミャンマーで合法かつ効果的に運営する企業の能力に直接影響を与えると訴えている。
(画像はプレスリリースより)
(C)2021 STR/AFP via Getty Images
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news
米国・英国等の共同声明
https://www.amchammyanmar.com/
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