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2022-02-17 08:00

社会

ロヒンギャ迫害への正義に向けて第一歩:ICJの公聴会21日から

ICJ
暴力と不処罰のサイクルを断ち切るステップ
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は2月14日、21日から国際司法裁判所(International Court of Justice:ICJ)で始まるロヒンギャ民族に対するミャンマー国軍の虐待について、正義をもたらすことの重要性について訴えた。

21日から28日までICJで行われる公聴会は、2019年11月に57ヵ国のイスラム協力機構(Organisation of Islamic Cooperation)に代わってガンビア共和国がICJにロヒンギャ問題を提訴したもので、ミャンマーの残虐行為がジェノサイド条約のさまざまな規定に違反していると主張している。

HRWの国際司法局長であるNushin Sarkarati氏は、
「国際司法裁判所の公聴会は、ミャンマーにおける暴力と不処罰のサイクルを断ち切るための画期的なステップだ」(プレスリリースより)
と述べた上で、
「同案件はロヒンギャだけでなく、国内のすべての人を正義の道に導くことになるだろう」(プレスリリースより)
と付け加えた。

なお、HRWはグローバル・ジャスティス・センター(Global Justice Center)とともに、2021年2月1日にミャンマーで起きた軍事クーデターのICJ訴訟への影響を含む最近の進展を説明する質疑応答文書も発表している。

ICJの暫定措置を遵守しない軍事政権
ガンビアの要請に応じて、ICJは2020年1月に裁判所が満場一致で採択。ミャンマーに残っているロヒンギャを虐殺から保護するための暫定措置についての公聴会を2019年12月に開催した。

裁判所の暫定措置は、ミャンマーがロヒンギャに対するすべてのジェノサイド行為を防止し、治安部隊がジェノサイドを行わないようにし、事件に関連する証拠を保存するための措置を講じることを要求。ミャンマーはこの命令を遵守することが法的に義務付けられている。

しかしHRWは、ミャンマーが裁判所の暫定措置に違反し、同国に残る60万人以上のロヒンギャに継続的な虐待を続けていることを指摘。

さらに、軍事クーデター以来、軍事政権は大量殺戮、拷問、性的暴力、恣意的逮捕、およびHRWが人道に対する罪に相当すると信じるその他の虐待を行っていると主張している。

(画像はプレスリリースより)
(C)2017 AP Photo/Bernat Armangue, file


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

ミャンマーに対する提訴の進展
https://www.hrw.org/news/

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