2022-01-21 17:00
社会
日本政府はミャンマー国軍への訓練プログラムをやめるべき:国際人権団体

軍内部から改革をもたらすプログラム?
国際人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は1月19日、日本政府が2015年から行っているミャンマー国軍への訓練プログラムをやめるべきだと再び主張した。HRWは昨年12月、日本政府によるミャンマー士官候補生の軍事プログラムを直ちに中止し、ミャンマー国軍との関係を断つべきだとの見解を示している。
防衛省は12月、ミャンマーから8人の士官候補生がアカデミーに出席し、軍事クーデター後に少なくとも2人が参加したことを明らかにした。
アカデミーのカリキュラムには陸上自衛隊の訓練、評価、海上自衛隊の開発隊、航空自衛隊幹部学校での訓練などがあり、戦闘と銃器の使用が含まれるという。
HRWによると防衛省当局者は、
「このプログラムは将校になることが期待されている士官候補生に、日本の軍隊が厳格な文民統制下でどのように活動しているかを示すことによって、ミャンマー軍内から変化をもたらすように設計されている」(プレスリリースより)
と述べたという。しかし防衛省は研修生がプログラム後にたどるキャリアを追跡していないことを認めており、HRWは同プログラムが軍内部から改革をもたらさないことを認めるべきだと訴えている。
ミャンマー軍との関係維持とクーデター批判は矛盾
昨年2月1日にミャンマーで軍事クーデターが起きた際、日本は最初に声明を発表した政府の1つであった。「重大な懸念」を表明し、ウィンミン大統領やアウンサンスーチー国家顧問を含む治安部隊によって拘束された人々の釈放を求めている。また日本政府は既存の援助プロジェクトを継続させながら、新しい開発プロジェクトを中止することにより、さらなる行動を起こした。
さらに3月28日、防衛省は「非武装の民間人」に対するミャンマー軍の武力行使を批判する共同声明を11の同盟国と発表している。
このような批判行動を起こしながら、日本政府はクーデター以来1,400人以上を殺害、1万人以上を拘束、少数民族地域での虐待的な軍事作戦を激化させているミャンマー軍に訓練プログラムを続けているのだ。
ミャンマー軍との継続的な関係とクーデター批判は矛盾するだけでなく、人道に対する罪やその他の虐待の責任を将軍に負わせる国際社会の努力を弱体化しているとHRWは指摘している。
(画像はプレスリリースより)
(C)AP Photo
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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