2022-01-09 16:00
政治
カンボジア首相がミャンマー訪問、国民は「権力掌握を正当化する」と反発

各地で起こる抗議
カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は1月7日、ミャンマー軍事政権トップとの会談のため2日間の予定でミャンマーを訪問。同軍事政権は同首相をレッドカーペットで出迎えたが、ミャンマー国民は同首相の訪問を「権力の掌握を正当化している」と反発している。実際、首都ネピドーの北約300kmにあるデパイインでは、抗議者たちがカンボジアの首相のポスターを燃やし、「フン・センはミャンマーに来るな。独裁者フン・センはいらない」と唱えたという。
また、ミャンマー第2の都市マンダレー、タニンダーリおよびモンユワ地域での抗議の報告もある。
さらに、ヤンゴンにある在ミャンマー・カンボジア大使館付近では小規模な爆発事案が発生。犯行者は明らかになっていないが、カンボジアの要人のミャンマー訪問を批判する紙が置かれていたという。
なお、フン・セン首相はカンボジアの反対派を追放または投獄することで権力を維持してきたこともあり、「独裁者」と非難されることがある。
分裂が懸念されるASEAN
カンボジアはミャンマー危機を解決するための外交努力を主導し、4月に5つの「コンセンサス」和平計画を採択したASEANの現在の議長だ。インドネシアを含む他のいくつかのASEAN諸国は、軍事政権が計画を実施できなかったことに不満を表明している。
インドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領はTwitterのメッセージで、
「和平計画に大きな進展がなければ、ミャンマーの非政治的代表者だけがASEAN会議に参加できるようにすべきだ」(REUTERSちる)
と述べた。一方、フン・セン首相は昨年12月、
「軍事政権の当局者がASEAN会議への出席を許可されるべきだ」(REUTERSより)
とASEANの分裂が懸念される発言をしている。ダウェイ地区民主主義運動ストライキ委員会(Dawei District Democracy Movement Strike Committee)のスポークスマンは、フン・セン首相の訪問は政治危機の解決を進めることができなかった政権に正当性を与えるだろうと懸念を示した上で、
「彼はカンボジアの独裁者だ。彼のような人が私たちの国の問題を仲裁するのは完全に不可能だ」(abc NEWSより)
と見解を示した。(画像はabc NEWSより)
外部リンク
Cambodia PM gets red-carpet welcome in Myanmar as visit sparks protests
https://news.trust.org/
Protests, anger as Hun Sen visits Myanmar’s military leaders
https://www.aljazeera.com/
Anger as Cambodia's Hun Sen meets Myanmar military leader
https://abcnews.go.com/
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