2021-12-14 10:00
社会
ミャンマーでの権利侵害は「前例のない規模で深刻化」:国連が警告

先週だけでも未成年者を含む11人を殺害
ミャンマー国軍が権力を掌握してから10ヶ月以上が経ち、同国の人権状況は前例のない規模で深まっていると、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が警告した。OHCHRは12月10日に発表した声明で、
「ミャンマー国内での深刻な人権侵害の驚くべき拡大に愕然とした」(プレスリリースより)
と述べている。また、国連のRupert Colville報道官は、
「先週だけでも治安部隊は11人を殺害し、そのうち5人は未成年者であり、平和的集会の基本的権利を行使する抗議者に車両ごと突っ込んだ」(プレスリリースより)
とジュネーブでのブリーフィングで述べた。さらに、生存権、自由と安全、拷問の禁止、公正な裁判を受ける権利、表現の自由などの重大な違反が毎日報告されているという。
次々に起こる治安部隊による殺害
OHCHRによると、ミャンマー国軍の治安部隊は7日、サガイン地域で遠隔操作の爆発装置を使って民兵隊によって待ち伏せされたため、同地域の村を襲撃し、6人の男性と5人の未成年者を逮捕したという。また、治安部隊が村に火を放ち、11人が焼死している。5日にはヤンゴンで平和的な抗議デモを行っていた集団に車両ごと突っ込み、その後、抗議者に実弾を発砲し、数人の死傷者を出した。
OHCHRは、ここ数週間、宗教的礼拝所や住宅などの保護された建造物を含む村が焼失したという複数の報告を受けているという。さらに、カヤー州では民間人が避難していた場所が治安部隊によって炎上し、村人は生きたまま火刑に処されたと伝えられている。
Colville報道官は、国軍トップのミン・アウン・フライン暫定首相が国民を保護するための国際法の下での義務を繰り返し尊重しなかったことに言及した上で、統一された断固たる国際的対応を要求した。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
国連:
https://www.un.org/
国連のプレスリリース
https://news.un.org/
OHCHRのブリーフィング記録
https://www.ohchr.org/
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