2021-11-12 10:00
社会
国連がミャンマーの人道的状況の「悪化」を懸念、300万人が人道支援必要

国際法で禁止されている行為の即時停止を要請
国連は11月8日、ミャンマー国軍と武装グループによる紛争、不安、コロナ禍、経済の衰退の結果として同国の人道的状況が悪化していることを警告し、300万人が緊急の援助を必要としていると懸念を示した。国連の人道問題担当次官兼緊急救援コーディネーターであるマーティン・グリフィス(Martin Griffiths)氏は声明で、
「ミャンマーの人道的状況は悪化している」(プレスリリースより)
と述べた上で、「暴力の終焉とミャンマー危機の平和的解決がなければ、この数は増えるだけだ」(プレスリリースより)
と付け加えている。ここ数週間、ミャンマー国軍とチン州のチンランド国防軍、マグウェとサガイン地域の人民国防軍の間の敵対行為が激化しているという。
グリフィス氏は同国北西部の状況について、
「女性と子どもを含む3万7,000人以上が新たに避難し、教会や人道組織の事務所を含む160以上の家が焼失した」(プレスリリースより)
と詳細を明らかにして強い懸念を示した。グリフィス氏は人道的な労働者や施設を含む民間人や民間インフラに対する攻撃が国際法で禁止されていることに触れ、即時停止を求めている。
支援を必要とする人々へのアクセスを制限する国軍
グリフィス氏によると、人道支援活動家は今年だけでもミャンマーの167万人以上に食糧、現金、栄養の支援を提供し、さらに多くのことを行う準備が整っているものの、アクセスが禁止されたままになっているため支援活動ができない状況だという。ミャンマー国内で切実に支援を必要としている多くの人々へのアクセスは、国軍に制限されたままだ。
同氏は、ミャンマーの人々の基本的人権が守られ、尊厳を持って生きられるようにするために、すべての当事者が国際人道法および人権法に基づく“義務を完全に尊重”して、民間人を保護し、人道支援が提供できるようにするよう促した上で、
「世界は監視している」(プレスリリースより)
と述べている。(画像はプレスリリースより)
外部リンク
国連
https://www.un.org/
国連のプレスリリース
https://news.un.org/
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