2021-08-18 18:00
社会
国際人権団体、ミャンマー刑務所でのコロナ感染急増に懸念

反軍事政権を訴える人々をウイルスが蔓延する刑務所へ
米国に基盤を持つ国際人権NGOであるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は8月16日、ミャンマーのコロナ危機は刑務所の人々を含む最も疎外された人々の間で広がるにつれて、制御不能になりつつあると懸念を示した。HRWによると、ミャンマーの刑務所では600を超えるコロナウイルス感染症(COVID-19)が報告され、暫定政府の保健省は全国で毎日約4000人が新規感染していると推定しているが、検査が不足しており、状況が制御されていると主張する暫定軍事政権からの情報がほとんどないため、実際の感染者ははるかに多い可能性があるという。
2月1日の軍事クーデター以降の政治的動機による逮捕の激化は、医療へのアクセスが不十分な国の過密で不衛生な刑務所での感染急増と一致し、ウイルスが蔓延する刑務所に軍事政権が自分たちの敵となる人々を閉じ込めているようにも見えるとHRWは見解を示した。
HRWは、少なくともミャンマーの刑務所当局が囚人の広範な検査を実施し、セキュリティ上のリスクがほとんどないすべての囚人を釈放し、刑務所でのCOVID-19の情報を公開する必要があると主張している。
刑務所内の現状
ヤンゴンのインセイン刑務所では7月23日、軍事クーデターで拘束されたアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)のニャン・ウィン(Nyan Win)氏が死亡したことで抗議行動が勃発。8月9日の時点で、同刑務所では12人がCOVID-19に感染して死亡している。地元メディアの報道によると、インセイン刑務所にいる9000人の囚人のうち、600人だけしかワクチン接種を受けていないという。
感染の急速な広がりを鎮めるために、インセイン、タウングー、ミャンミャの刑務所の職員は封鎖を命じた。症状がある囚人は隔離されるが、検査を受けたり適切な治療を受けたりする者はほとんどいない。
また、釈放された者はウイルスの拡散を阻止するための対策はほとんど講じられておらず、刑務所内ではマスクが不足し、衛生状態が極めてひどいという。
(画像はプレスリリースより)
(C)2021 Santosh Krl / SOPA Images/Sipa via AP Images
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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