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2021-07-24 08:00

政治

ミャンマー軍事法廷、クーデター以後65人に死刑判決:国際人権団体

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
“不当な裁判”による死刑宣告
米国に基盤を持つ国際的な人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は7月21日、2月1日の軍事クーデター以後、ミャンマーの軍事法廷による“不当な裁判”で65人が死刑宣告を受けたことを明らかにした。

国営メディアと地元グループによると、死刑判決を受けたうち26人が現在拘留されており、39人が欠席裁判で有罪判決を受けたという。

軍事政権はクーデターに対する抗議活動を封じ込めるため、3月に戒厳令を宣言。戒厳令を課す際、軍事政権はすべての行政権と司法権を関連する地域の軍事司令部の長に移している。

また、軍事法廷で起訴される23のカテゴリーの犯罪を定め、それらはすべて死刑の可能性がある刑として制定したという。

HRWのアジア研究者であるシャイナ・バウフナー(Shayna Bauchner)氏は、
「ひどく不当な裁判の後でも軍事法廷で数十人に死刑判決を言い渡させるようになり、軍事政権は路上での抗議者への銃乱射事件を増大した」(プレスリリースより)
との見解を示した。

国軍最高司令官による独裁政権化
戒厳令は国家行政評議会(SAC)の議長であるミン・アウン・フライン国軍最高司令官にすべての死刑執行命令の承認を義務付け、“軍事法廷によって下された決定または有罪判決に対する上訴はできない”と定めている。

死刑を宣告された被告の唯一の選択肢は、有罪判決から15日以内にSAC議長に申請して、決定を覆すことだという。なぜなら、同国軍最高司令官のみが、判決を覆したり、減刑したり、決定を承認したりする権限を持っているからだ。

ミャンマーの軍事法廷はヤンゴンのインセイン刑務所内で秘密裏に長い間行われており、民事裁判に適用される証拠と手続きの規則は適用されない。

さらに、軍事法廷で裁判にかけられる人々は、彼らに対する告発の有効性に関係なく、ほぼ確実に有罪判決に直面しているが、裁判は一般市民または国際社会の監視の外で行われている。

HRWは、国連、EU、米国、およびその他の政府が、不法に投獄され、圧力をかけられているすべての人々の釈放を要求する必要があると訴えた。

(画像はプレスリリースより)
(C)2021 AP Photo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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