2021-07-18 08:00
社会
ヤンゴンの火葬場が火葬待ちの遺体で大混雑 酸素不足による死者急増で

火葬場に送られる遺体の総数は1日500体超え
ミャンマー最大の都市ヤンゴンで医療用酸素の供給が不足してコロナウイルス感染による死者が急増し、火葬が追いつかずに火葬場が火葬待ちの遺体であふれているという。ヤンゴンに本拠を置く人道組織の関係者は匿名を条件に、
「ヤンゴンには4つの火葬場がある。これらの4つの火葬場に送られる遺体の総数は1日500を超えている。自宅で亡くなった人の約95%が低酸素症だ。500人の死者のうち、450人が自宅で死亡している。」(Radio Free Asiaより)
と状況を語った上で、火葬場が1日あたり約50体しか処理できないことを付け加えた。ヤンゴンの火葬場は朝から晩までノンストップで稼働しても追いつかない状態で、火葬場に通じる廊下が遺体を積んだストレッチャーで埋め尽くされているという。
また、火葬場に遺体を運ぶための霊柩車が不足しているため救急車が代わりを務めているが、救急車の手配も困難で、死亡翌日になっても運ばれないこともあるという。
軍事政権による酸素供給制限で死者が急増
ミャンマーは先月末からデルタ株の蔓延により、公衆衛生上の危機に直面している。14日に保健省は1日の感染者が7,083人で、これまでの感染者は20万8,357人に上り、昨年3月以降の死者は4,036人だと報告した。しかし、これは軍事政権による報告で、自宅で亡くなった人の数を考えると、公式の数字は実際よりも多い可能性が高い。
ミャンマーでコロナの感染者や感染による死者が爆発的に増加した理由は、医療崩壊や軍事政権への深い不信感だけではなく、医療用酸素の不足が大きいという。
軍事政権のトップは酸素不足を否定しているが、病院に入れない多くの感染者は自宅療養のために、家族が酸素を求めて酸素製造工場の前に並んでいる。
軍事政権の報道官は12日、政権が酸素製造工場に制限を課し、個人使用のためにシリンダーを補充しないように命じたことを明らかにした。この制限はより多くの混乱をもたらし、国民を苦しめている。
(画像はRadio Free Asiaより)
外部リンク
Crematoriums Overflow in Myanmar’s Biggest City as COVID Deaths Spike Amid Oxygen Shortage
https://www.irrawaddy.com/
Yangon Cemeteries Overflowing as Myanmar Struggles to Contain Third Wave of COVID-19
https://www.rfa.org/
Charities in Myanmar strained by soaring death tolls
https://apnews.com/
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