2020-12-28 08:00
社会
中国、ミャンマーとの国境に2,000kmのハイテクフェンスを建設

表向きはコロナ蔓延抑制、その裏で反体制派の逃避阻止か
中国政府が違法な国境通過を阻止するために、同国南部に位置するミャンマーとの国境に2,000kmに及ぶハイテクフェンスを建設していることが明らかとなった。ハイテクフェンスは有刺鉄線で覆われ、監視カメラも設置されている。フェンスに近づくと、
「ここは警察のエリアです。すぐに立ち去ってください」(WEEKEND AUSTRALIANより)
という音声警告が発せられるという。この巨大な事業は『南万里の長城』とコードネームが付けられ、今年初めに建設を開始。すでに、659kmのフェンスが完成しているという。ただし、中国の国家メディアはこれまでのところ、プロジェクトの公式発表をしていない。
しかし、人民日報は今年の9月、雲南省に約9.5kmの“バリケード施設”が建設されたと報道しており、違法な出入りを効果的に阻止し、中国を新型コロナウイルスから保護するのが目的だと主張。他方、ウイグル人の少数派や他の反体制派が中国を離れるのを阻止するのが目的だという報道もある。
なお、中国とミャンマーの国境ではあらゆる種類の密輸や人身売買などが行われ、中国当局も定期的に取り締まっている。
協定を反故にする中国に不満か
中国のハイテク国境フェンス建設について、ミャンマーのメディアは、一方的な建設に対して国軍幹部が中国当局に異議の手紙を送ったと報道。ミャンマー外務省も中国政府に苦情を申し立てたと伝えている。その理由は、1961年にミャンマーと中国が国境協定を結んでおり、フェンス建設が同協定に違反しているからだ。この協定では、“どちらの国も境界線から10m以内に構造物を建ててはならない”と決めている。
フェンス建設は中国の雲南省とミャンマーのシャン州およびカチン州を結ぶ中国ミャンマー経済回廊(CMEC)プロジェクトとも矛盾。また、ミャンマー側は中国の搾取的な同プロジェクトにも不満を持っているという。
(画像はWEEKEND AUSTRALIANより)
外部リンク
China builds 2000-km high-tech border fence, Myanmar unhappy
https://www.business-standard.com/
China Building Massive Myanmar Border Wall: Reports
https://thediplomat.com/
Dissidents face great border wall of China
https://www.theaustralian.com.au/
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