2020-12-10 08:00
社会
バングラデシュ当局が「ロヒンギャ」を離島へ移動、国連等が懸念

慢性的な過密状態緩和のため
バングラデシュ当局は12月4日、国連や人権団体等から懸念を示されているにも関わらず、イスラム系少数民族ロヒンギャ約1600人をベンガル湾の離島へ移動させた。ミャンマー国軍による残忍な取り締まりからバングラデシュに逃れて以来、国境近くのコックスバザールにある難民キャンプには数十万人のロヒンギャがいる。
当局は2015年に島への移動を提案したが、サイクロンや洪水が発生しやすい島のためアイデアは保留されたという。
しかし、コックスバザールの難民キャンプは慢性的な過密状態にあるため、離島への移動が実施された。
当局によると、移動を希望する人のみで、強制はしていないという。
見直しされないまま移転計画を実施
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア副局長であるフィル・ロバートソン(Phil Robertson)は、この島を“事実上の監獄島”に例えた。同氏はさらに、
「健康への懸念、医療サービスへの懸念、十分な量の食料やその他の物資への懸念がある。つまり、それは災害が起こるのを待っているようなものだ」(nprより)
と述べている。また、国連もバングラデシュ当局が事前に移転計画の見直しをしていないことを指摘。移転計画には島の安全性、実現可能性、持続可能性の見直しが含まれ、ロヒンギャの完全な同意が含まれるべきとの見解を示した。
さらに、国連との協議資格を持つアムネスティ・インターナショナルは、移転計画を完全に停止するよう求めている。
なお、国連、人権団体、海外メディアは島を訪問することを許可されていない。
(画像はnprより)
外部リンク
Bangladesh ships Rohingya refugees to remote island despite outcry
https://www.reuters.com/
Bangladesh relocates more than 1,500 Rohingya refugees to remote island
https://www.abc.net.au/
Bangladesh Begins Moving Displaced Rohingya Muslims To Island
https://www.npr.org/
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