2020-11-30 09:00
社会
国際人権団体、ミャンマー国軍が未だに“子どもを使用している”と指摘

人間を盾として使用
米国に基盤を持つ国際的な人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、ミャンマー国軍が未だに戦闘で“子どもを使用している”ことを指摘した。今年10月には、同国ラカイン州の反政府勢力であるアラカン軍に対する作戦で、数人の少年を含む農民グループに国軍の前を強制的に歩かせ、地雷が埋められていないかを確認させている。
また、戦闘勃発後には、2人の少年が死亡し、1人が負傷した。
HRWは、
「人間を盾として使用することは、戦闘で子どもを使用することと同様に戦争犯罪だ」(プレスリリースより)
と指摘。また、ミャンマーの子どもに対する重大な違反の監視と報告に関する国連国タスクフォースは、完全で透明性のある迅速な事件の調査と、子どもたちの使用と死亡に関して責任を追及することを求めているという。
守られない約束事
ミャンマー国軍には武力紛争で子どもを使用してきた長い歴史がある。国連が徴兵と子どもの使用について継続的に文書化しているにもかかわらず、今年6月にはアントニオ・グテーレス国連事務総長が「恥のリスト」からミャンマー国軍を削除することを決めた。「恥のリスト」とは子どもの人権を侵害している国や組織を列挙したリストで、毎年公表されている。
ミャンマーは2019年9月、武力紛争への子どもの関与に関する「子どもの権利条約」の選択議定書を批准。これは敵対行為に直接参加する最低年齢を18歳と定めたものだ。
また2007年には、子どもが荷物運び、料理人、メッセンジャー、性的目的等で使用されることを禁じている「パリ原則」にも署名。また、荷物運びとしての子どもの使用は、強制労働または強制労働のための子どもの使用を禁じているミャンマーの「子どもの権利法」にも違反している。
HRWはミャンマー政府に対して、荷物運びを人間の盾として使用するのをやめるよう国軍に命令することを要請するとともに、国連に対しても民間人、特に子どもを人間の盾として使用する不快な慣行に関与している国軍当局を制裁するべきとの見解を示した。
(画像はプレスリリースより)
(C)2020 AP Photo/Aung Shine Oo
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
関連する記事
-
2025-04-30 18:30
-
2025-04-26 16:30
-
2025-04-24 09:30
-
2025-04-19 09:30
-
2025-04-17 15:00