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2020-10-08 10:00

社会

国際人権団体、ミャンマー選挙の欠陥を指摘

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
非民主的な選挙関連法
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は10月5日、ミャンマーの選挙プロセスは、政府を公正に選出する権利を人々から奪う体系的な問題と権利侵害によって損なわれているとの見解を示した。

ミャンマーでは11月8日、議会選挙、州選挙、地方選挙が実施視される予定だ。

アウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)は、2015年に初めて国政選挙で圧勝。これは1990年に軍がNLDの圧倒的勝利を無効にして以降、2度目の選挙であった。

しかし、HRWはミャンマーの選挙問題には複数の欠陥があると指摘。それはイスラム系少数民族ロヒンギャの有権者と候補者を禁止する差別、議会の25%が軍関係議員で占められていること、政府評論家の刑事訴追、メディアへの不平等な当事者のアクセス、独立した選挙委員会と苦情解決メカニズムの欠如だという。

HRWのブラッド・アダムズ(Brad Adams)氏は、
「議席の4分の1が軍議員のために確保され、国営メディアへのアクセスが平等でなく、政府の批評家が弾圧または逮捕に直面し、ロヒンギャが選挙権を拒否されている限り、選挙は自由で公正なものではない」(プレスリリースより)
と述べ、選挙関連の法律が非民主的であることに言及した。

国際的に認められた要素の欠落
ミャンマーの選挙法では、候補者の両親が2人ともミャンマー国籍であることを義務づけており、事実上ロヒンギャの立候補は否定されている。

その理由は、多くのロヒンギャが旧軍事政権下により、暫定市民権文書として提供された一時登録証明書が期限切れになったために立候補する権利を奪われたからだ。今回の選挙でも立候補を申し出たロヒンギャが複数拒否されている。

ミャンマーではその他にも、紛争地域でのインターネットアクセスの遮断をはじめ、政府を批判したために学生が逮捕されたり、国家メディアへの不平等なアクセスが起きたりと、自由で公正な選挙のために国際的に認められている多くの要素が欠落しているという。

(画像はプレスリリースより)
(C)2020 Sai Aung Main/AFP via Getty Images


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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