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2020-10-03 11:00

政治

ミャンマーの選挙アプリ、「民族的・宗教的対立をあおる」と批判

選挙アプリ
際立つ候補者の「人種」と「宗教」
ミャンマーでは11月8日の選挙に先立って、9月29日に選挙アプリ「mVoter2020」がリリースされたが、人種差別や宗教的ナショナリズムをあおる可能性があるとして批判を受けている。

この選挙アプリはミャンマーの有権者に情報を提供するために、EUが資金提供してストックホルムを拠点とするInternational Democracy and Electoral Assistance(IDEA)が開発し、アジア財団(Asia Foundation)とミャンマー選挙委員会(UEC)により作成された。

同アプリは2015年の前回選挙に先立って作成された同様のアプリに基づいており、11月の総選挙に出馬する約7,000人の候補者に関するデータが提供される。

しかし、ミャンマーの擁護団体であるJustice for Myanmarによると、立候補者の経歴情報は母親と父親を含む候補者の「人種」と「宗教」を際立たせているという。

特に、イスラム系少数民族のロヒンギャ候補を「ベンガル人」と表現していることに言及。「ベンガル人」は、仏教徒が大多数を占めるミャンマーで偏見に直面しているロヒンギャに対して政府が使用する用語だと主張している。

「民族的・宗教的ナショナリズムをあおる危険性がある」
擁護団体Justice for Myanmarは9月30日、国際機関とアプリ作成プロジェクトの支援者を「ロヒンギャのアイデンティティの消失に加担している」と訴え、アプリから「人種」と「宗教」のカテゴリーを直ちに削除するよう求めた。

同擁護団体は声明で、
「有権者が求める正確な情報へのアクセスを提供する代わりに、mVoter2020アプリは選挙中に民族的および宗教的ナショナリズムをあおる危険性がある」(AP NEWSより)
と述べている。

また、ロヒンギャを無国籍にし、ロヒンギャの候補者を失格させ、ロヒンギャの選挙権を剥奪する口実として、アプリのデータが使用されているとの見解を示した。

(画像はAP NEWSより)


外部リンク

Ethnic identifiers in Myanmar election app criticized
https://apnews.com/

Activists Denounce Myanmar Election App For ‘Inflaming’ Ethnic Tensions
https://thediplomat.com/

Activists condemn EU-funded election app for ‘inflaming ethnic and religious nationalism’
https://myanmar-now.org/

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