2026-08-16 15:00
政治
元ミャンマー駐英大使、英公邸への不法侵入罪で公判

軍政による解任の正当性を争点に、本人は無罪を主張
ミャンマーの元駐英大使、Kyaw Zwar Minn氏が12日、ロンドンの裁判所に出廷し、外交官公邸への不法侵入(trespass)の罪について公判が始まった。68歳のKyaw Zwar Minn氏は、2021年5月から2024年11月まで、ロンドン北西部にある駐英ミャンマー大使公邸にとどまったとして起訴されている。同氏は罪を認めておらず、現在も公邸に住んでいると報じられている。
この事件の背景には、2021年2月のミャンマー軍事クーデターがある。クーデター後、Kyaw Zwar Minn氏は拘束されたアウンサンスーチー氏らの解放を求め、軍による政権掌握に反対する立場を示した。その後、軍政によって大使職を解かれ、ミャンマー大使館から締め出された。
「軍政には公邸を取り戻す権限がない」と主張
裁判で最大の争点となっているのは、ミャンマー軍政が同氏の大使職を合法的に終了させ、公邸から退去させる権限を持っていたかどうかだ。Kyaw Zwar Minn氏は、ミン・アウン・フライン氏率いる現在のミャンマー政府を正当な政府とは認めておらず、軍政には自身の居住権を取り消したり、公邸の明け渡しを求めたりする法的権限がなかったと主張。
弁護側も、軍当局が同氏の大使としての地位や公邸に住む権利を合法的に終了させることはできなかったと主張した。
検察側は「解任後に退去する義務があった」と主張
一方、検察側は、ミャンマー当局が2021年4月に同氏に対して国有財産を引き渡すよう指示し、その後、英国外務省も公邸から退去するよう求めたと説明している。検察側によれば、Kyaw Zwar Minn氏は大使として公邸に居住する許可を得ていたが、その地位を失った後も退去しなかったため、不法侵入に当たるという。
この事件は単なる不法侵入事件にとどまらず、2021年のクーデター後にミャンマーの正統な政府を誰が代表するのか、そして軍政による外交官の解任がどこまで法的効力を持つのかという問題にも関係している。
同氏の公判は、ミャンマーの政治的正統性をめぐる対立が、英国の司法の場にも及んでいることを示す事例となっている。
(画像はREUTERSより)
外部リンク
Exiled Myanmar ambassador on trial in UK for 'trespass' at diplomatic residence
https://www.reuters.com/
Former Myanmar Ambassador to UK Goes on Trial For ‘Trespassing’ in Diplomatic Residence
https://thediplomat.com/
Ex-Myanmar ambassador to UK on trial for trespassing in diplomatic residence
https://www.theguardian.com/
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