2025-09-06 17:00
経済
インダストリオール、ブランド各社にミャンマーからの撤退を改めて呼びかけ

ミャンマーからの調達継続は弾圧に資金援助していることに
スイスのジュネーブに本部を置く国際労働組合のインダストリオール・グローバルユニオン(以下「インダストリオール」)は9月4日、いくつかのブランドに対し、ミャンマーでの操業を停止し、労働権と人権が根絶された軍事政権下の国からの責任ある撤退についてインダストリオールとの交渉を直ちに開始するよう、繰り返し呼びかけた。繊維・衣料産業はミャンマー軍事政権にとって主要な外貨獲得源であり、武器、弾薬、燃料の調達に役立っており、同国で衣料品や履物を生産する労働者は、戒厳令下の工業地帯で働いている。
インダストリオールの書記長は、
「ミャンマーからの調達を継続することで、ブランドは弾圧に資金援助していることになる。第33条に関する決議は、世界中のいかなるビジネスシステムも独立労働組合を非合法化し、労働者を投獄する独裁政権下で事業を営むリスクを軽減できないことを明確に示している。唯一の責任ある道は、撤退し、インダストリオールと協力して労働者を保護する責任ある撤退策を講じることだ」(プレスリリースより)
と述べている。第33条はILOにおける最も重い制裁
2023年のILO(国際労働機関)調査委員会は、結社の自由条約および強制労働条約の広範な違反を明らかにした。また、7月には労働組合の指導者や労働運動家が容疑不明で逮捕されたという新たな報告があったという。こうした懸念にもかかわらず、英国で人気のNEXT(ネクスト)やオランダのランジェリーブランドHunkemoller(フンケメラー)などのブランドは、サプライチェーンにおける人権侵害のリスクを軽減するために「強化されたデューデリジェンス」を実行できるとして、ミャンマーに留まる意向を示している。
ドイツの衣料品小売業者のNEW YORKER(ニューヨーカー)とポーランドのファッショングループのLPPとともに、NEXTは軍事独裁政権下ではOECD(経済協力開発機構)ガイドラインや人権デューデリジェンスに従うことは不可能であるという理由で、インダストリオールが昨年11月にOECDの各国連絡窓口(NCP)に苦情を申し立てた3つのブランドのうちの1つでもある。
ミャンマーの労働組合と縫製労働者は、6月の国際労働総会でILOがミャンマーの軍事政権に対し、ILO憲章第33条を発動するという異例の措置を取ったことで、支持を得た。第33条はILOにおける最も重い制裁であり、ILO設立以来、発動されたのはわずか3回だという。
なお、第33条に関する決議は、政府、雇用主、労働者に対し、間接的に政権を支援する可能性のあるサプライチェーンへの投資を見直し、労働者の権利の重大な侵害を永続させる可能性のあるあらゆる手段を無効にするよう求めている。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
インダストリオール・グローバルユニオン
https://www.industriall-union.org/
インダストリオール・グローバルユニオンのプレスリリース
https://www.industriall-union.org/
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