2025-05-11 08:00
社会
米国の教育支援打ち切りでミャンマーの若者に打撃:アムネスティ

米国による教育資金の削減が学習の機会を奪う
国連との協議資格を持つ国際人権団体のアムネスティ・インターナショナル(AI)は、米国政府によるミャンマーへの教育支援の停止が、同国の若者に深刻な影響を及ぼしていると警告した。2021年の軍事クーデター以降、ミャンマーの教育制度は崩壊の危機にひんしており、今回の支援停止により「失われた世代」が現実のものとなる可能性が高まっている。
報告によると、米国は7,000万ドル以上の教育プログラム資金を打ち切り、これにより東南アジアの大学で学ぶミャンマー人学生や、遠隔地・少数民族地域の子どもたちへの基礎教育支援が中断されたという。
なお、教育の機会を失った若者たちは、任意拘束、拷問、強制徴兵などの人権侵害のリスクにさらされている。
教育の権利保障と資金援助の再開を各国に訴え
AIは、米国および他の政府、大学、援助国に対し、ミャンマーの教育支援を緊急に再開するよう求めている。同団体のミャンマー担当研究員であるジョー・フリーマン氏は、
「米国の援助停止は状況をさらに悪化させた。トランプ政権は方針を転換し、極めて困難な状況下で夢を叶えようと努力するミャンマーの学生を見捨ててはならない」(プレスリリースより)
と述べたうえで、他国の政府や教育機関も支援に乗り出す必要があると強調した。教育は単なる学習の場ではなく、戦争と抑圧から逃れるための生命線だ。国際社会が迅速に行動しなければ、ミャンマーの若者たちは未来を奪われる危機に直面することになる。
(画像はプレスリリースより)
(C)Getty Images
外部リンク
アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/
アムネスティ・インターナショナルのプレスリリース
https://www.amnesty.org/en/
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