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2025-02-05 08:00

政治

ミャンマー:危機悪化で国連事務総長が民政復帰を要請

国連
自由で平和的な選挙は実施できない
ミャンマーで軍事政権が権力を掌握してから4年が経過する中、国連事務総長は包括的な民主化移行を通じて民政復帰を可能にするために、ミャンマー軍へ権力放棄を要請した。

国連のステファン・デュジャリック報道官は声明で、
「アントニオ・グテーレス事務総長はあらゆる形態の暴力を非難し、紛争のすべての当事者に対し、最大限の自制を働かせ、人権と国際人道法を遵守し、さらなる暴力のせん動とコミュニティ間の緊張を防ぐよう呼びかける」(プレスリリースより)
と述べている。

同事務総長はまた、軍の選挙計画に懸念を表明し、紛争の激化と人権侵害の蔓延により自由で平和的な選挙は実施できないと警告。

国連でミャンマーの人権問題を担当するトム・アンドリュース特別報告者も、軍事政権の選挙計画を「詐欺」と批判し、野党指導者を逮捕、拘留、処刑し、報道の自由を犯罪とみなす中では正当な投票を行うことは不可能だとの考えを示している。

急激に悪化するミャンマーの状況
クーデター後、ウィンミン大統領とアウンサンスーチー国家顧問が拘束され、国内は人道的・人権的危機に陥り、内戦が激化する中で状況は悪化するばかりだ。

今年は人口の3分の1にあたる約2,000万人が人道支援を必要とすると予想。飢餓は深刻なレベルに達しており、2025年には1,500万人が深刻な食糧不安に直面すると予測されており、昨年の1,330万人から増加。

また、軍事政権軍と反政府武装グループ間の戦闘により無差別空爆、村の焼き討ち、処刑などが勃発し、国内で350万人以上が避難を余儀なくされ、紛争の影響を受けた地域の人々は最悪のレベルの食糧不安に苦しんでいる。

さらに、ミャンマー経済の崩壊、アクセス制限、災害が相まって、コミュニティは危機にひんしているという。

国際社会に「悪夢を終わらせる手助け」を呼びかけ
グテーレス事務総長は国際社会に対し、ミャンマーの「悪夢を終わらせる手助け」をするよう呼びかけ、虐待の記録と援助の提供を続けるミャンマーの民主化活動家、ジャーナリスト、人道支援活動家の粘り強さを称賛。

また、アンドリュース特別報告者も各国政府に対し、より強力な制裁を課し、軍事政権の武器入手を制限し、国際刑事裁判所(ICC)でミャンマーの軍事指導者を裁く取り組みを含む国際司法メカニズムを支持するよう求めたうえで、
「ミャンマーでは不処罰が何十年にもわたる暴力と抑圧の連鎖を許してきた。最終的には軍事政権の指導者らが犯罪で訴追されることによって、ミャンマーの歴史のこの悲しい一章は終わらなければならない」(プレスリリースより)
と述べている。

(画像はプレスリリースより)
(C)UNICEF/Minzayar Oo


外部リンク

国連
https://www.un.org/en

国連のプレスリリース
https://news.un.org/en/

国連の声明
https://www.un.org/

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