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2024-05-12 12:00

社会

インドによるミャンマー難民の強制送還の中止を要請:ICJ

強制送還
ノン・ルフールマンの原則に違反
「法の支配」の確立を目的として設立されたNGOの国際法律家委員会(International Commission of Jurists:ICJ)は5月10日、インド当局によるさらなるミャンマー難民の強制送還を直ちに中止すべきだとの見解を示した。

ICJ上級国際法顧問は、
「インド当局はマニプルからのミャンマー難民のさらなる強制送還を直ちに中止し、代わりにノン・ルフールマン原則および国際人権法に基づくインドのその他の義務に沿って、深刻な危害からの安全を求める人々に保護と支援を提供すべきである」(プレスリリースより)
と述べたうえで、
「現在進行中の暴力に関連したミャンマー難民に対する差別、敵意、または暴力の扇動も停止および禁止されなければならない」(プレスリリースより)
とつけ加えた。

報道によると、ミャンマーの治安状況の悪化を受けて、6,000人を超える難民が安全を求めてマニプルに避難しており、2日に77人が強制送還されたという。

なお、ノン・ルフールマン原則とは、生命や自由が脅かされかねない難民などが入国を拒まれたり、追放・送還されたりすることを禁止する国際法上の原則のことである。

ミャンマー難民は「不法移民」
インド・マニプル州のビレン・シン州首相は、ミャンマーからの難民を「不法移民」とし、彼らの「生体認証データ」を収集しているという。

同州首相は、メイテイ族、クキ族、その他の山岳部族の間で現在進行中の暴力と不安を引き起こしているのは「不法移民」であるとミャンマーからの難民を非難。難民が事件に関与しているという実質的な証拠が不足しているにもかかわらず、「彼らを特定して送還する」と約束していた。

ICJはミャンマー難民の虹彩スキャンや指紋などの生体情報を大量に収集していることにも懸念を示しており、収集が行われる状況は強制的であり、収集の前提条件である事前のインフォームド・コンセントの原則に反していると指摘している。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

ICJ
https://www.icj.org/

ICJのプレスリリース
https://www.icj.org/

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