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2023-06-03 10:00

政治

擁護・監視団体、ミャンマー国民和解特使日本政府代表を批判

笹川陽平
ミャンマー国民の意に反する選挙に賛成する笹川特使
権利擁護団体であるプログレッシブ・ボイス(Progressive Voice:PV)とメコン河流域国における開発事業や開発政策の影響を監視するメコン・ウォッチ(Mekong Watch:MW)は6月1日、ミャンマー国民和解特使日本政府代表である笹川陽平氏を説明責任と透明性が欠けていると批判した。

詳細な任務と明確な責任が欠如していることは、特にミャンマー国軍が計画している偽選挙を考慮すると、特使の目的と活動について深刻な懸念を引き起こしているとの見解を示した。

PVとMWによると、ミャンマー国民が軍事政権の偽選挙に明確に反対の声を上げる中、笹川特使は2月6日にバンコクでメディアに対し、
「民主化の第一歩は選挙だ。彼らは何があっても実施しなければならない」(プレスリリースより)
と述べたという。

書簡に返答しない笹川特使と日本政府
ミャンマーの406の市民社会団体は4月に笹川特使に書簡を送り、この「選挙」支持表明が特使としての立場でなされたのかを明らかにするとともに、特使としての責任と特使としての活動についての詳細を提供するよう求めたが、笹川特使は応じなかった。

MWも4月に外務省に情報公開請求を行い、ミャンマーを含む日本国外での笹川特使の活動について、日付、期間、目的、氏名などの情報を開示するよう求めている。

これに対し同省は、そのような情報に関する文書は存在せず、何も開示していないことを明らかにしたという。 MWはこの非開示について審査請求を行うとともに、内閣官房に対しても同様の情報公開請求を行っている。

さらに、5月には同じくミャンマーの406の市民社会団体が日本政府に書簡を送り、特使の責任についての説明を再度求めたが、未だに日本政府からの返答はないという。

ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者も、偽選挙を支持する笹川特使の声明に懸念を表明した。

日本のイメージに悪影響
PVとMWは、日本政府が軍事政権による偽選挙の問題に関してまだ公式声明を発表していないことを指摘した上で、笹川特使のコメントに直接影響を受ける数百のミャンマー市民社会団体が表明した懸念を無視し続けることは、彼のコメントを暗黙のうちに支持することにつながるだろうと明言している。

さらに、このような行いは、権利を遵守しアジアをリードする民主主義国としての日本のイメージに悪影響を与えることになるとの見解を示した。

(画像はプログレッシブ・ボイスより)


外部リンク

プログレッシブ・ボイス
https://progressivevoicemyanmar.org/

プログレッシブ・ボイスのプレスリリース
https://progressivevoicemyanmar.org/

メコン・ウォッチ
http://www.mekongwatch.org/

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