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2023-06-16 10:30

社会

オーストリアの航空機会社とミャンマー軍事政権との協定がEUの武器禁輸に違反

武器禁輸違反
国民へのテロ作戦に不可欠な偵察機の技術移転契約
ミャンマー国民の正義と説明責任を求める活動家グループのジャスティス・フォー・ミャンマー(Justice For Myanmar:JFM)の調査によると、オーストリアの航空機会社であるダイヤモンド・エアクラフト・インダストリーズ(Diamond Aircraft Industries:DAI)とミャンマー軍事政権が協力して、2人乗り偵察練習機であるDART-450を現地で組み立て生産するプロジェクトは、EU(欧州連合)の武器禁輸に対する明らかな違反だという。

DAIは技術移転契約を通じてミャンマー国軍に複合材料と部品を供給したほか、ミャンマーでの技術支援やオーストリアでの航空機の組み立てと主要部品製造のための軍人の訓練も行った。

なお、DART-450は軍事政権による国民へのテロ作戦の一環である大規模な無差別空爆に不可欠な偵察機である。

複数の関連企業も明らかに
DAIによるミャンマー国軍への支援は、同軍がロヒンギャに対する大量虐殺作戦を行った後、まったく処罰を受けずに他の民族地域で戦争犯罪や人道に対する罪を犯している間に行われた。

このプロジェクトは 2017年から2020年にかけて実施されたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で一時的に中断されたという。

プロジェクト期間中に施行されたEUの対ミャンマー武器禁輸措置では、軍事訓練や軍事協力の制限に加え、国内弾圧に使用される武器、軍民両用物品、装備品をミャンマーに提供することは違法である。

またJFMは、同プロジェクトに関与し、制裁に違反している可能性がある複数の国の企業を特定。主要な技術コンポーネントがミャンマーのDART-450プロジェクトに使用されており、ミャンマーに対して武器禁輸を行っている国に拠点を置く企業も明らかにした。

JFMはDAIとミャンマー国軍との取り引きの証拠をEUの制裁内部告発ツールに提出し、DAIと関連企業に対する迅速な調査を求めている。

(画像はJustice For Myanmarより)


外部リンク

Justice For Myanmar
https://www.justiceformyanmar.org/

Justice For Myanmarのプレスリリース
https://www.justiceformyanmar.org/press/

Diamond Aircraft Industries
https://www.diamondaircraft.com/

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