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2023-01-28 11:00

経済

軍事政権下でミャンマーのアヘン栽培が急増:国連報告書

アヘン栽培
2022年に栽培面積が33%、潜在的収量が88%増加
不正薬物と越境組織犯罪と闘う国連薬物犯罪事務所(UNODC)は1月26日、ミャンマー軍が権力を掌握した2021年の軍事クーデター以降、同国でのアヘンの栽培が急増しているという報告書を発表した。

UNODCの報告書『ミャンマーアヘン調査2022: 栽培、生産、および影響(Myanmar Opium Survey 2022: Cultivation, Production and Implications)』によると、アヘン根絶の取り組みが縮小し、2022 年に栽培面積は33%増加し、潜在的収量が88%増加したことが判明したという。

UNODCは、軍事クーデターが起きた2021年には栽培面積が2%、収量が4%と緩やかな増加であったが、2022年に大幅な増加があったことを確認している。

なお、アヘンの増加は合成薬物の生産拡大と同時に起こっており、ミャンマー国内および周辺地域の薬物経済はかなりの利益を生み出しており、ミャンマーでのアヘンの価値は最大20億ドル、地域のヘロイン取り引きは約100億ドルに上るという。

アヘン栽培は経済的な問題
UNODCによると、最も大幅な増加が見られたのはシャン州で、栽培は39%増加し、続いてチン州で14%、カヤ州で11%増加し、カチン州ではわずか3%の増加だったという。

UNODC地域代表のジェレミー・ダグラス氏は、シャン北部や紛争が発生しやすい地域の農民は、アヘン栽培に戻る以外にほとんど選択肢がなかったと見ている。

UNODCミャンマーのカントリーマネージャーであるベネディクト・ホフマン氏も、
「結局のところアヘン栽培は本当に経済的な問題であり、脆弱性をエスカレートさせるだけの作物を破壊することによって解決することはできない」(プレスリリースより)
と述べた上で、
「代替手段と経済的安定がなければ、アヘンの栽培と生産は拡大し続ける可能性が高い」(プレスリリースより)
とつけ加えた。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

UNODC
https://www.unodc.org/

UNODCのプレスリリース
https://www.unodc.org/roseap/

UNODCの報告書
http://bit.ly/

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