2022-07-26 14:00
経済
ミャンマー経済は依然として脆弱:世界銀行
人口の約40%が貧困ライン以下の生活
世界銀行は7月21日、ミャンマー国軍によるクーデターが起きて以来、暴力の渦に巻き込まれている同国の経済が外的および内的混乱により、依然「脆弱」であると報告した。世界銀行のミャンマー経済モニターによると、人口の約40%が2022年に国の貧困ライン以下で生活しており、貧困削減に関する10年近くの進歩を逆戻りさせているという。
2022年のGDPは2019年よりも約13%低いと推定されており、成長に実質的な回復が見られないということは、生計と対処メカニズムが引き続き深刻な緊張状態にあることを意味している。
ミャンマー経済は昨年の18%の縮小に続き、2022年9月に終了する会計年度に3%成長すると予測。しかし、世界銀行のカントリーディレクターであるマリアム・シャーマン氏は、
「昨年のミャンマーは世界で最悪の景気後退の1つを経験し、今年予測される限られた成長は他の国に大きく後れをとっている」(プレスリリースより)
と指摘した。内需に依存する産業は課題に直面
ミャンマーでは昨年、厳しい状況の中でいくつかのプロジェクトが再開され、建設活動も活発になった。個人消費の指標は弱いものの、職場、小売店、交通ハブでのモビリティの上昇が全体的な活動を支えてきたという。しかし、内需に依存する産業は家計収入の減少と価格の上昇による課題に直面。また、農業生産は価格の上昇、輸送の混乱、継続的な紛争によって制約されたままだという。
インフレの急上昇はすべての事業を混乱させ、3月の消費者物価指数は17.3%(前年比)に上昇。世界的な石油価格の上昇は、国内の燃料価格と輸送コスト、および繰り返し発生する停電を補うためのディーゼル発電機の運転コストの顕著な上昇を引き起こした。
ミャンマーでは多くの地域で紛争が続いており、引き続き生産活動を制約することが予想され、その結果、他の東アジア太平洋地域とは対照的に、パンデミック前のレベルに経済活動が短期的に戻る可能性は低いという。
(画像は世界銀行より)
外部リンク
世界銀行
https://www.worldbank.org/
世界銀行のプレスリリース
https://www.worldbank.org/news/
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