2022-06-02 11:00
社会
国際人権NGO、ミャンマー東部の軍事攻撃が「集団罰」に相当と報告
数百人の民間人を殺害、15万人以上を追放
国連との協議資格を有する国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナル(以下「アムネスティ」)は5月31日、ミャンマー国軍が同国東部の2つの州で民間人に対する不法な殺害、恣意的な拘留、強制的な追放などを行い、広範囲にわたる残虐行為を組織的に犯していると、新たな報告書で指摘した。アムネスティが発表した報告書は『Bullets rained from the sky(空から降った弾丸)』というタイトルで、ミャンマー国軍が軍事クーデター後に、東部のカイン州とカヤー州で民間人に対して広範囲にわたる空中攻撃や地上攻撃、体系的な村での略奪や焼き討ちなどを行い、しばしば拷問や処刑につながる恣意的な拘留によって集団罰も行っていたことを発見したという。
カイン州とカヤー州での暴力は、軍事クーデターの結果として再燃し、2021年12月から2022年3月にエスカレート。数百人の民間人を殺害し、15万人以上を追放した。
なお「集団罰」とは罪を犯した本人だけでなく、周囲の人々にも罰を及ぼすことである。
殺害、略奪、焼き討ちは国軍の常套手段
アムネスティのRawya Rageh氏は、「警鐘が鳴らされるべきだ。進行中の殺害、略奪、焼き討ちは、全国の少数民族に対して繰り返し使用されてきた集団罰という国軍の特徴的な戦術のすべての特徴を示している」(プレスリリースより)
と述べている。アムネスティの報告書はタイとミャンマーの国境での2週間を含む、2022年3月と4月に実施された調査に基づいており、数十人の目撃者や攻撃の生存者、国軍からの脱走者3人を含む99人にインタビューしたという。
また、衛星画像、火災データ、およびオープンソースの軍用航空機の飛行データに加えて、人権侵害に関連する100以上の写真とビデオ(負傷、破壊、武器の使用を示す)を分析しており、信ぴょう性の高さがうかがえる。
ミャンマーの危機はいつまで続くのであろうか。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/
アムネスティ・インターナショナルのプレスリリース
https://www.amnesty.org/en/
Bullets rained from the sky
https://www.amnesty.org/documents/
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