2019-11-16 08:00
社会
国際刑事裁判所、ロヒンギャ弾圧に関する犯罪調査の要求を承認

ICCは調査の管轄権があると判断
国際刑事裁判所(International Criminal Court:ICC)は11月14日、組織的にバングラデシュに追い込まれたミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャを弾圧したとして疑惑がかかる犯罪に対する調査の要求を承認した。2017年のミャンマー国軍による弾圧以来、73万人以上のロヒンギャが国境を越えて近隣のバングラデシュに逃避。国連の調査官は「大量虐殺の意図」で弾圧が行われたと結論づけている。具体的には、集団強姦、殺人、家や村の焼き払いなどが行われ、「民族浄化」との批判を受けていた。
世界で唯一の戦争犯罪裁判所であるICCの裁判官は、
「ミャンマーはICCのメンバーではないものの、メンバーであるバングラデシュとの国境を越えて部分的に発生した犯罪調査の管轄権はある」(REUTERSより)
と述べている。ICCによると、追放、人道に対する罪、民族性・宗教に基づく迫害を含むロヒンギャに対する広範な犯罪または体系的な犯罪行為を調査することが承認されたという。
ICCの主任検察官であるFatou Bensouda氏は、2018年9月にミャンマーの予備調査を開始することを許可され、2019年7月に本格的な調査の開始を正式に申請していた。
国際司法裁判所にも調査の申請
11月11日には、ミャンマー国軍によるイスラム系少数民族への“ジェノサイド”疑惑の調査を、西アフリカ西岸に位置するガンビア共和国が国際司法裁判所(International Court of Justice:ICJ)に申請をしている。ICCが個人の国際犯罪を裁く国際裁判所であるのに対し、ICJは国家間の紛争に関する自治的な地位を持つ国際司法機関で、国連の主要機関の1つだ。
なお、ガンビアは57ヵ国のイスラム協力機構(Organisation of Islamic Cooperation)に代わって、調査の申請をしており、初回審議は12月に行われる予定だという。
(画像はTIMEより)
外部リンク
War crimes court OKs probe into deportation of Myanmar's Rohingya
https://www.reuters.com/
ICC approves probe into Myanmar's alleged crimes against Rohingya
https://www.aljazeera.com/
International Criminal Court to Investigate Abuses Against Myanmar's Rohingya Minority
https://time.com/
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