2019-09-16 19:15
社会
国際人権団体、バングラデシュのロヒンギャ難民の通信制限中止を要請

100%の通信遮断ではない
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は9月13日、ミャンマーから多くのロヒンギャが逃避しているバングラデシュ・コックスバザール(Cox's Bazar)の難民キャンプに新たに課せられた通信制限の停止を要請した。HRWによると、バングラデシュ電気通信規制委員会は9月9日、すべての通信事業者に難民キャンプ内の3Gおよび4Gサービスを停止するよう指示したとメディアが報道したという。
実際、難民キャンプでは9月10日以降、高速サービスが停止。その1週間前には、政府が午後5時から午前6時まで、すべての3Gおよび4Gサービスの停止を命じている。
2Gサービスは引き続き利用できるが、限られた通話とテキストメッセージが可能なだけだ。
HRWのブラッド・アダムス(Brad Adams)氏は、バングラデシュ政府にはロヒンギャ難民キャンプの安全とセキュリティを確保する責任があるとした上で、
「難民キャンプでのコミュニケーションを制限すると必要なサービスが妨げられ、悲惨な生活条件がさらに悪化し、命が危険にさらされる」(プレスリリースより)
と述べた。また、人道支援スタッフらは、緊急事態への対応を含め、通信制限により支援能力が妨げられたと報告している。
SIMカードを違法入手?
一方、バングラデシュ当局は、難民には身分証明書がないため、SIMカードを違法に入手していると主張。電気通信規制委員会は、携帯電話会社にロヒンギャへのSIMカードの販売を停止し、キャンプ場でのすべてのアクティブな接続の登録詳細を確認するよう指示している。
また、バングラデシュの当局者はHRWに対して、一部の難民が犯罪行為にインターネット通信を使用していると語ったという。
しかしHRWは、国際人権法によりバングラデシュには特定のセキュリティ上の懸念に対する必要かつ相応の対応として、通信の提供を保証する義務があると主張している。
(画像はプレスリリースより)
(C)2019 Munir Uz Zaman/AFP/Getty Images
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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