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2019-09-01 23:00

社会

タイ最高裁、英国人殺害でミャンマー人労働者2人の死刑判決を支持

英国人殺人事件
一貫して無罪を主張
2014年にタイで英国人バックパッカーの男女が殺害された事件で同国の最高裁判所は8月29日、ミャンマー人労働者のZaw Lin氏(23)とWin Zaw Tun氏(24)の死刑判決を支持した。

殺人事件が起きたのは2014年9月。英国人のデービッド・ミラー(David Miller)さん(当時24歳)とハンナ・ウィザーリッジ(Hannah Witheridge)さん(当時23歳)の遺体が、ダイビングリゾートとして知られるタイのタオ島の海岸で発見された。女性はレイプされ、男性は撲殺されている。

タイ警察は2週間後にミャンマー人労働者の2人を逮捕。しかし、2人は後に脅迫と暴行により自供を強要されたことを明らかにし、その後は一貫して無罪を主張している。

判決の決め手となる証拠の信頼性に疑問
サムイ島裁判所は2015年12月、ミャンマー人労働者2人に対して「死刑」を宣告。タイの弁護士協会のメンバーと労働基本権を擁護するNGOのメンバーで構成される2人の弁護チームは、2017年1月に下級裁判所に控訴したが、DNA鑑定が重視され却下されている。

弁護チームは同年8月にタイの最高裁判所に控訴したが、それが今回の「死刑判決支持」となった。

一方、弁護チームの国際顧問であるアンディ・ホール氏は、判決の決め手となった証拠について、
「DNA鑑定と法医学の証拠は・・・私の意見では根本的に欠陥があり、国際基準に照らして検討した場合、信頼できないと考えるべきだ」(REUTERSより)
と述べ、同殺人事件における法医学およびDNA証拠の収集・輸送・テスト・分析・保管などに落ち度があったことを指摘している。

なお、タイの法律では、死刑を宣告された者が60日間以内にタイの王室に恩赦を求めることを許可しており、要求が却下された場合、処刑を進めることになる。

(画像はThe Irrawaddyより)


外部リンク

Thailand's top court upholds Myanmar workers' death penalty in British backpacker murders
https://www.channelnewsasia.com/

Thai Supreme Court Upholds Death Sentences for 2 Myanmar Migrant Workers
https://www.irrawaddy.com/

Myanmar workers facing death penalty for British tourist murders to seek Thai pardon
https://uk.reuters.com/

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