2019-08-25 22:00
社会
アムネスティ、ロヒンギャのミャンマー帰還に懸念

ラカイン州は安全ではない
国連との協議資格を持つ非政府組織のアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International、以下「アムネスティ」)は8月21日、バングラデシュに逃避しているイスラム系少数民族ロヒンギャのミャンマー帰還に懸念を示した。アムネスティは、74万人以上のロヒンギャがミャンマー・ラカイン州から逃避するきっかけとなった残忍な行為を指揮した国軍トップが責任を逃れている間は、ラカイン州は安全ではないと主張している。
国連の調査チームはミャンマー国軍トップに対し、人道に対する罪とジェノサイドの可能性があると述べており、説明責任を追及するために国連人権理事会の決議が採択されたにもかかわらず、ロヒンギャに対する攻撃を指揮した国軍最高司令官がいまだに同じポストに就いていることに言及。
ミャンマー国軍はいまだパワフルで残忍なため、ラカインに戻ることは誰にとっても安全ではないとしている。
人道支援と説明責任の追及の連動性を主張
アムネスティのNicholas Bequelinディレクターは、「バングラデシュとミャンマーが数千人のロヒンギャを帰還させるという最近の提案は、難民キャンプに大きな恐怖を引き起こした。ロヒンギャ難民には、殺人、レイプ、焼かれた村の記憶がまだ新鮮だ」(プレスリリースより)
とロヒンギャの状況を説明した。また、国連安全保障理事会はミャンマーの状況を緊急に国際刑事裁判所に付託し、包括的な武器禁輸措置を課す必要があるとの見解を示している。
ミャンマー国軍はラカイン州へのアクセスを厳しく制限しているため、国際的な機関が帰還したロヒンギャを監視するのは非常に困難だ。
アムネスティは、ロヒンギャの生活を再建する人道的な支援は、説明責任の追及と連動しなければならないと強調している。
(画像はプレスリリースより)
(C)Amnesty International (Photo: Ahmer Khan)
外部リンク
アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/
アムネスティ・インターナショナルのプレスリリース
https://www.amnesty.org/news/
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