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2020-07-04 11:30

社会

北海道大学と東北大学、ミャンマー初となる人工衛星開発プログラムに協力

北海道大学
ミャンマーからの留学生に知識や技術を提供
北海道大学は、東北大学およびミャンマー航空宇宙技術大学(MAEU)とともに、ミャンマーで初となる人工衛星の開発プログラムを開始した。

このプログラムでは、50キログラム級の超小型衛星2機を打ち上げ、搭載されるマルチスペクトルカメラなどの先端機器観測装置の効果的な運用とデータ利用を行い、ミャンマーの農林水産業や大規模自然災害の軽減に貢献していく。

約17億円となるプログラムの予算はミャンマー政府が負担する。北海道大学と東北大学は、ミャンマー側のスタッフ・学生を大学院の学生として受け入れ、教育・人材育成をしながら、計画の立案、衛星開発・製作、運用、解析を共に行い、キャパシティビルディングを実施する。

1号機は 2021年早期に国際宇宙ステーションからの放出を目指している。衛星に搭載される超多波長スペクトルイメージャー(SMI)とよばれる装置は、全ての衛星の中で最多の波長選択性を持ち、植生や海洋の状態を従来よりもはるかに高い精度で計測できる。

また、目標物に対し、短時間で正確にカメラの視野を向ける技術を使い、世界で最も高精度な雲の立体撮影を行って、集中豪雨や台風の監視と予測に貢献する予定である。

プロジェクトの開始は2019年9月1日で、実施期間は5年間を予定している。

高機能衛星の連携運用で自然災害被害低減に貢献
北海道大学・東北大学のグループは、2015年よりフィリピン共和国から大学院生を受け入れて、開発した2つの衛星の製作、打ち上げおよび運用に協力してきた。

こうした衛星開発・キャパシティビルディングプログラムは、北海道大学・東北大学が主導する衛星技術やデータを共有し、将来は国境を越えた衛星の相互運用を目指す、アジア9カ国16機関が参画するアジア・マイクロサテライト・コンソーシアム(AMC)の活動の一部でもある。

また、AMCの活動として、超小型衛星を用いた国際共同ネットワークの構築も進めており、ミャンマーでの衛星開発が成功すれば、ミャンマーはそのネットワークの中心的な役割を担う国の1つとなる。

近い将来には、このグループの指導によって各国が開発・保有する数十機の高機能衛星を連携運用することで、世界初となる災害時の連続撮影観測を実現することなどを目指している。

(画像は北海道大学より)


外部リンク

北海道大学 プレスリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/200702_pr2.pdf

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