2020-06-22 03:00
社会
国際人権団体、ミャンマー政府に対してインターネット制限解除を要請

世界で最も長い政府によるインターネット遮断
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は6月19日、ミャンマーのラカイン州とチン州の8つの郡区でインターネットを制限している同国政府に対して、直ちに制限を解除するよう求めた。同エリアでは2019年6月21日からインターネットへのアクセスが制限され、紛争地帯で暮らす100万人以上の人々に影響を与えているという。
HRWのアジア法律顧問であるLinda Lakhdhir氏は、
「ミャンマーで実施されている政府によるインターネット遮断は世界で最も長く、直ちに終了すべきだ」(プレスリリースより)
と述べた上で、「パンデミックが起きている今、ミャンマー国軍とアラカン軍との武力紛争で民間人が安全確保に必要な情報を入手することは重要だ」(プレスリリースより)
とつけ加えた。新型コロナ発生を知らない村人
HRWによると、インターネットの遮断と人道支援機関のアクセス制限により、一部の村の人々は新型コロナウイルスの発生に気づいておらず、人道支援機関は現地スタッフとコミュニケーションをとることが困難となっているという。ミャンマー運輸・通信省(Ministry of Transport and Communications)は昨年6月12日、治安上の懸念を理由にインターネットを遮断。
同省はメディアへの説明会で、
「一般市民に対する脅威や電気通信法の違反がなければ、インターネットサービスを再開する」(プレスリリースより)
と述べていたが、未だに制限が続いているという。HRWはインターネットが遮断されるエリアにロヒンギャが多く暮らすことにふれた上で、1月に国際司法裁判所がロヒンギャを虐殺行為から保護するようミャンマー政府が命じられたことに言及している。
なお、国連の人権専門家は1月、インターネット遮断を正当化することはできず、直ちに制限を解除するよう要請しているが、状況は変わっていない。
(画像はプレスリリースより)
(C)2018 Phyo Hein Kyaw/AFP/Getty Images
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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