2020-06-15 15:00
社会
国際人権団体、マレーシアとタイにロヒンギャ難民の救助と支援を要請

数カ月間海上で立ち往生
アメリカに基盤を置く国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は6月12日、マレーシアとタイの当局に対して海上で立ち往生しているロヒンギャ難民を緊急に救助し、支援を提供するよう要請した。マレーシア当局は6月8日に同国西部のアンダマン海にあるランカウイ島(Langkawi)沖で不審な船を発見し、ロヒンギャ難民269人を拘束している。
同国海事取締局(Maritime Enforcement Agency)によると、推定300人のロヒンギャを乗せた2隻目の船が、タイのアダン島(Adang island)の近くの海に残っているという。
どちらの船も2月にバングラデシュを出港して数カ月間海上をさまよっており、十分な食料や水を手に入れることができずにいた。
パンデミックは入国拒否の理由にならず
HRWのブラッド・アダムス(Brad Adams)氏は、「ミャンマーは最終的にロヒンギャ難民の窮状について責任を負っているが、マレーシアとタイは目前の危険と海上で直面する苦しみから目を背けるのを止めるべきだ」(プレスリリースより)
と述べている。マレーシア海事取締局によると、ロヒンギャ難民を乗せた2隻目の船は海上にとどまっており、マレーシアの海域への進入を試みたが、当局が押し戻したという。
マレーシアとタイの両当局はロヒンギャ難民に食糧と燃料を提供したが、船はタイのアダン島の沖合で立ち往生しており、タイ当局は入国を拒否している。
新型コロナウイルスが蔓延する今、どの国でも入国者には隔離期間を設けるなどの措置が取られているが、HRWはパンデミックが入国拒否を正当化できるものではないとした上で、ロヒンギャの生命が危険にさらされていることを強調した。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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