2020-06-03 21:00
社会
国境なき医師団、新型肺炎の影響を受ける難民キャンプの現状などを紹介

石けんなども確保しづらく 配給時に多くの人が集まる
国境なき医師団が、新型コロナウイルスの影響を受ける難民キャンプの現状などを、5月29日に紹介した。ミャンマーからロヒンギャ難民が流入しているコックスバザールの難民キャンプでは、およそ100万人もの難民が厳しい環境下で生活している。バングラデシュ国内でも新型コロナウイルスの流行の兆しがあるが、国境なき医師団は感染拡大を抑止するために、重要課題が克服されなければならないと指摘している。
ロヒンギャ難民は10人家族が1つの部屋で生活することもあるほか、石けんや清潔な水の確保も難しい。また、食料などの配給を受けとるまでに多くの人が集まる中、何時間も待たなければならない。また、国境なき医師団は予防接種などを受ける機会がなく、感染症にかかるリスクが非常に高いとしている。
移動制限措置や感染症対策で医療や支援の提供が困難に
新型コロナウイルスの感染拡大を抑止するために移動制限措置がとられることもあるが、非感染症疾患の患者が、病院に行くのを躊躇う可能性もあるほか、定期的な治療が中断される不安もある。また、モンスーンの季節には水計感染症などの発生抑止のために、給排水・衛生設備を維持することが重要になってくるが、新型コロナウイルス関連の様々な成約がある中ではそういった支援などが困難になる。
国境なき医師団は現在、誤った情報などが拡散しないように、地元の有力者や宗教指導者の協力のもと、口コミによる保健衛生情報の啓発活動を実施したり、隔離治療施設の見学会を開いて現地住民との信頼を深めたりしている最中だ。医療スタッフやそういった人を送迎するバスやスタッフ、そして物流システムの構築など様々な課題の解決にも取り組んでいる。
(画像はプレスリリースより)
(C)MSF/Daniella Ritzau-Reid
外部リンク
国境なき医師団 プレスリリース
https://www.msf.or.jp/
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