2020-05-01 06:00
社会
国連特別報告者、ミャンマーで進行中の戦争犯罪疑惑の調査要請

民間人がターゲットに
国連特別報告者である李亮喜(Yanghee Lee)氏は4月29日、ミャンマーのラカインとチン州で進行中の戦闘で戦争犯罪と非人道的犯罪が疑われるため、調査を要請した。李特別報告者は、
「世界はCOVID-19パンデミックの対応に追われている一方で、ミャンマー国軍はラカイン州での攻撃をエスカレートさせ続け、民間人をターゲットにしている」(プレスリリースより)
と述べている。アラカン軍を含む反政府勢力が停戦を宣言したが、その呼びかけは無視され、国軍はラカイン民族とチン民族に計り知れない苦痛を与えていることに言及した上で、
「国軍は組織的に国際人道法と人権の最も基本的な原則に違反している」(プレスリリースより)
と懸念を示した。同特別報告者は、これらの地域で民間人が犠牲になっていることから、戦争犯罪と非人道的犯罪に相当する可能性があるとの見解を示し、民間人の保護を訴えている。
迫害は継続中
李特別報告者は、ミャンマー国軍が何十年もの間、意図的に国民を苦しめ、2017年にはロヒンギャを迫害したことに言及し、同様の迫害がラカイン州やチン州で民間人を標的に続けられていると指摘。ここ数ヶ月で子どもを含む多くの人が爆撃などの犠牲になっているという。また、アラカン軍との関係が疑われた男性は国軍に数日間拘留され、拷問を受けた。さらに、学校、家屋、仏教寺院が焼かれたり破壊されたりしたという。
加えて、戦闘が続く地域では2019年6月以降、政府によりインターネットが遮断され、4月には支援者であるWHO(世界保健機関)の職員が乗る車両も銃撃され、運転手が死亡している。
同特別報告者は、ミャンマー国軍が国際司法裁判所の暫定措置およびジェノサイド条約を尊重するための大統領命令を遵守しなければならないことを強調した。
(画像はUNHCRより)
外部リンク
UNHCR
https://www.unhcr.org/
UNHCRのプレスリリース
https://www.ohchr.org/News/
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