2020-02-06 09:00
社会
国際刑事裁判所、ロヒンギャ迫害で個々の刑事責任を特定する捜査開始

ICJの保全措置命令がICCの捜査に有用
国際刑事裁判所(ICC)の上級検察官であるPhakiso Mochochoko氏は2月4日、バングラデシュの首都ダッカで記者団に対し、ミャンマーで起きたイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害で、犯罪が疑われる個人の責任を特定するために捜査を開始したことを明らかにした。同氏は、
「捜査官はすでに難民キャンプにいる。つまり、すでに捜査が始まっているということだ」(Anadolu Agencyより)
と述べている。また、虐殺行為からロヒンギャを保護するようミャンマー政府へ命じた国際司法裁判所(ICJ)の保全措置は、ICCが主にイスラム教徒と無国籍の少数民族グループに対して罪を犯した個人を特定し、裁判にかけるのに役立つとの見解も示した。
ミャンマー政府は一貫してICCの決定を拒否
国連事実調査団はロヒンギャ迫害問題でミャンマー国軍最高司令官を含む国軍幹部が国際人道法に違反したと結論づけた。ICCの検察局は2018年9月、2016年と2017年に数十万人のロヒンギャをミャンマー・ラカイン州からバングラデシュに強制的に避難させた国軍幹部の訴追が可能と判断。しかし、ミャンマー政府はICCの決定を拒否している。
その背景にあるのは、ミャンマーがICCの加盟国ではないためだ。だが、ICCはロヒンギャを迫害したとされる犯罪の一部が加盟国であるバングラデシュ領土で起きているために管轄権を行使できると判断した。
Mochochoko氏は、ミャンマーを訪れてラカイン州にいる犠牲者や目撃者と話をするのが理想的だとした上で、
「しかし、残念ながらミャンマーは我々に協力しておらず、入国を許可していない」(Anadolu Agencyより)
と述べている。(画像はRadio Free Asiaより)
外部リンク
Official: ICC Will Prosecute People Who Committed Crimes against Rohingya in Myanmar
https://www.rfa.org/
Rohingya abuse: Int'l court opens probe into Myanmar
https://www.aa.com.tr/
ICC accuses Myanmar of non-cooperation in probe
http://www.newagebd.net/
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