2020-01-22 12:00
政治
ミャンマー政府調査委員会が最終報告「ジェノサイドの意図は認められず」

戦争犯罪は認めたがジェノサイドの意図なし
ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害問題で、同国政府が設置した独立調査委員会は1月20日、同国国軍の戦争犯罪を認めたものの、ジェノサイド(集団虐殺)の意図は認められなかったとの最終的な結論を出した。20日にFacebookに掲載された報告書では、ミャンマー国軍には鎮圧作戦で人権を侵害する戦争犯罪があり、多くのロヒンギャが隣国バングラデシュへ逃避したと結論づけている。
一方、ジェノサイドが計画あるいは実行されたという証拠は認められなかったという。
報告書では、
「入手可能な情報に基づいて、戦争犯罪、重大な人権侵害、および国内法違反が2017年8月25日から9月5日に発生した」(sky newsより)
と述べた上で、「これらの重大な罪と違反は複数の者によって犯されたが、ミャンマーの治安部隊のメンバーが関与したと信じる合理的な根拠がある」(sky newsより)
とつけ加えている。透明性に欠けた調査との疑念
この報告書は23日に予定されている国際司法裁判所(ICJ)の決定に先立ち発表された。ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー国家顧問は15日にICJで行われた聴聞会で、国軍による不正行為を強く否定している。ミャンマーの提訴は57ヵ国のイスラム協力機構を代表してガンビア共和国が行い、ミャンマー国内でジェノサイドが発生し、未だ継続していると主張。23日に暫定措置に関する決定が下される予定だ。
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は独立調査委員会の報告書について、
「その方法論と運用を含む調査は透明性からはほど遠い」(sky newsより)
と述べた上で、「ミャンマー政府と緊密に協力している政治的に歪んだ一連のコミッショナーによる透明性に欠けた調査だと予想される」(sky newsより)
とつけ加えた。なお、国連が以前行った調査では、ジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪の根拠が示されている。
(画像はcnaより)
外部リンク
Myanmar panel: Security forces likely committed war crimes
https://apnews.com/
War crimes, not genocide committed against Rohingya: Myanmar probe
https://www.channelnewsasia.com/
Myanmar forces 'committed war crimes against Rohingya', says independent report
https://news.sky.com/
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