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2020-09-10 13:00

社会

ICCが“ミャンマー軍の元兵士2人”に証人保護を提供か:国際人権団体

フォーティファイ・ライツ
大虐殺の命令は存在
東南アジアに拠点を置く国際人権団体のフォーティファイ・ライツ(Fortify Rights:FR)は9月8日、国際刑事裁判所(ICC)がミャンマーでイスラム系少数民族ロヒンギャに対して虐殺、レイプ、およびその他の犯罪への関与を自白した2人の元ミャンマー陸軍兵士に証人保護を提供したとの見解を示した。

自白したのは、Myo Win Tun氏(33)とZawNaing Tun氏(30)の2人だ。

FRによると、両方の男性は別々に上級指揮官から、「すべてのロヒンギャを駆除せよ」、「見聞きしたすべてのものを撃て」、特定の地域で「ロヒンギャをすべて殺せ」と命令を受けたと主張したという。

両方の男性が2つの別々の町で同時に作戦を行っていたことで、異なる司令官が同様の命令を出していたことが明らかとなり、FRは“大虐殺を行う”という一貫した作戦の存在を示唆している。

また、2016年と2017年にミャンマー陸軍軽歩兵大隊がロヒンギャに対して「掃討作戦」を実行していたときのビデオを自白した兵士から入手し、分析したという。

加害者の名前と階級を明かす
男性の1人は、ロヒンギャ殺害に関与したことや強姦したことを認めており、2017年にマウンドー郡区の5つの村で遺体を埋めたことも自白している。

また、ミャンマー陸軍の直接的な加害者19人の名前と階級を、ロヒンギャに対して残虐犯罪を命じた6人の上級指揮官とともに明らかにした。そこには、大佐、中佐、部隊長が含まれている。

2人の自白に基づくと、彼らは最大180人のロヒンギャ殺害に関しており、責任が問われるかもしれない。FRによると、彼らの自白はこれまで明らかになっていることと一致し、信頼できるという。

ICCに証人保護を提供されるまでの経緯
Myo Win Tun氏はカチン州出身のシャン民族で、2016年4月から2020年5月にラカイン州で地位を放棄するまでミャンマー軍の兵士だった。また、Zaw Naing Tun氏はラカイン州出身のラカイン民族で、2016年3月に強制的にミャンマー軍に徴兵され、2020年6月にラカイン州で地位を放棄するまで兵士を務めている。

ミャンマー軍と戦闘を続ける反政府勢力のアラカン軍は、2020年7月23日にMyo Win Tun氏の自白を撮影し、2020年7月8日に、Zaw Naing Tun氏の自白を撮影したという。

8月中旬、2人の男性はバングラデシュとミャンマーの国境に現れ、バングラデシュ当局に保護を求めた。バングラデシュ当局は元兵士2人の存在をICCに通知。バングラデシュ政府の法律顧問によると、2人はもはやバングラデシュにはいないという。

なお、2人がどのような経緯でアラカン軍の手に落ちたのかは明らかにされていない。

(画像はプレスリリースより)
(C)Arakan Army, July 8, 2020


外部リンク

フォーティファイ・ライツ
https://www.fortifyrights.org/

フォーティファイ・ライツのプレスリリース
https://www.fortifyrights.org/

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