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2020-09-03 20:00

社会

国際人権団体、ミャンマー当局に民族系メディアへの厳しい制限の解除要請

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
2つのメディアへのアクセスをブロック
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は9月1日、ラカイン州にある2つの民族系メディアへの厳しい制限を解除するようミャンマー当局に要請した。

HRWによると、ミャンマー当局は『Development Media Group(DMG)』のAung Marm Oo編集長を違法結社法の下で告訴し、DMGの英語とビルマ語のウェブサイトへのアクセスをブロックしたという。

また、DMGが隔月で発行する印刷媒体の出版ライセンス更新が認められなかった。さらに、ラカイン州の他の民族系メディア『Narinjara News』も、3月以降ブロックされているという。

HRWのアジア法律顧問であるLinda Lakhdhir氏は、
「ミャンマー当局によるラカイン州の民族系報道機関に対する容赦ない嫌がらせは、メディアの自由と情報を得る権利に対する攻撃だ」(プレスリリースより)
と述べた上で、根拠のない容疑の取り下げやウェブサイトのブロック解除に言及した。

繰り返されるジャーナリストの逮捕
『DMG』のAung Marm Oo編集長は2019年5月1日、ミャンマー警察が自身を告訴したことを知ったが、身を隠しながらミャンマー・プレス評議会に事件への介入を要請している。

違法結社法とは、違法結社を管理・支持したり、結社またはメンバー等の活動を促進・支援したりした者を罰する法律で、最長5年の懲役刑が課されるという。

ミャンマーではこれまで、国軍と反政府勢力との紛争に関して報道しようとするジャーナリストの逮捕が繰り返されている。

ラカイン州では戦闘が続いているだけでなく、州都シットウェ周辺では新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、タイムリーかつ正確な情報は非常に重要であり、メディアに対する制限は現地民間人の生活を脅かしていることだろう。

(画像はプレスリリースより)
(C)2015 Aung Marm Oo/Facebook


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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