2020-08-15 17:00
政治
国際人権団体、ミャンマーの選挙に関する放送規則の改正を要請

政党の発言を過度に制限
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は8月14日、すべての政党がミャンマー選挙管理委員会の過度の干渉を受けずに立場が表明できるようにするために、国営ラジオ局とテレビ局へのアクセスを管理する規則を改正するよう求めた。選挙管理委員会は11月8日の総選挙までの2ヶ月間、国有ラジオ・テレビ局を通して政党が方針を表明することが許可されると発表した。
しかし、HRWによると、すべての政治放送は事前に選挙管理委員会の承認を得なければならず、政党が発言できることが過度に制限されるという。つまり、軍や政府に対する批判等はご法度ということだ。
HRWのアジア法律顧問であるLinda Lakhdhir氏は、
「政府、既存の法律、および軍に対するいかなる批判も事実上禁止することにより、政治的批判を妨げている」(プレスリリースより)
と指摘した上で、選挙プロセスの公平さが損なわれることに言及した。なお、国際基準では選挙期間中の放送コンテンツを規制するために、選挙管理委員会とは別に透明で独立した機関を設立する。
政府や軍の批判は処罰に
ミャンマーではこれまで、電気通信法などを利用し、軍や政府を批判した者たちを逮捕している。2018年12月には、抗議中に軍を批判し、民間人の救出を求めた3人の人権擁護家が6ヶ月の禁固刑を言い渡された。
また、2019年4月には『エーヤワディー・ニュース・マガジン』の編集者が軍事攻撃を報告したために名誉毀損で起訴。その他にも、映画監督や伝統的な演劇グループが逮捕されている。
HRWは、これらの制限も含め、いずれも言論の自由に関する国際基準に違反していると指摘。さらに、選挙活動で政府や軍、または国内で起きている多くの虐待などについて批判できなければ、政党の政策提示を妨げることになると主張している。
(画像はプレスリリースより)
(C)2020 AP Photo/Aung Shine Oo
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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