2020-07-21 12:00
学術
順天堂大学のミャンマーでのAMRに関する開発研究、SATREPSの研究課題に決定

16病院でAMR検出を強化、精密データの作成・解析
順天堂大学は、医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」における令和2年度の新規課題として、同大学の開発研究テーマ、「ミャンマーにおける革新的薬剤耐性菌(AMR)サーベイランスシステムの構築とAMR診断技術の開発研究」が条件付きで採択されたことを発表した。条件付きとは、今後、ミャンマーの情勢や関係機関との実務協議の内容などによっては、新規採択研究課題の取り消しも含め内容が変更となるなどの可能性もあることから、条件付きとなっている。
事業の研究期間は2021~2026年度の5年間の予定で、日本側は順天堂大学、国立感染症研究所、コージンバイオ株式会社、株式会社島津製作所が参加し、ミャンマー側は保健・スポーツ省の国立衛生研究所(NHL)が参加する。
事業内容は、順天堂大学を中心に、NHLとミャンマーの16の基幹病院と共同で策定した「AMRサーベイランスネットワーク構築計画」に基づく。
具体的には、「ミャンマーの主要3行政区の16病院と連携し、AMRを検出するための手順の開発・強化」、「NHL内にあるAMRセンターでの菌株バンクの構築やデータ解析などによる精度の高いAMRナショナルデータの作成」、「AMRセンターによるアジア地域で流行するAMRの伝搬様式の解明」、「AMRに関連する環境問題の調査・対策立案『AMR One Healthアプローチ』の実践」、「現地の人材育成」となっている。
インドや中国由来のAMRの増加が深刻な問題に
AMR感染症による死亡者の増加は世界的に大きな問題となっており、世界保健機関(WHO)によると、AMRの克服は人類が共同で取り組むべき最重要課題である。ミャンマーにおいても、隣接しているインドと中国由来のAMRが多発、またヨーロッパや東アジア由来とみられるAMRも確認されており、国内の医療保険分野の遅れも相まって、近い将来、AMRはミャンマーにとって極めて深刻な問題となる可能性が指摘されている。
こうしたことから、今回の開発研究により、ミャンマーにおける薬剤耐性菌(AMR)サーベイランスネットワークの構築を目指していくものである。
2014年以来、医療保健分野でミャンマーへの研究支援に携わってきた順天堂大学は、SATREPS事業を通じて、ミャンマーでのAMR研究拠点及びサーベイランスネットワークの構築、さらに若手研究者の人材育成・交流を実現し、ミャンマーのAMR感染拡大を阻止し、日本を含むアジア全体の健康安全に寄与したいという意向を示している。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
学校法人 順天堂 プレスリリース(PR Times)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000196.000021495.html
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