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2018-07-19 11:00

社会

国際人権団体、農民から奪取した土地の返還をミャンマー政府に要求

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
過去30年間続く違法な土地没収
米国ニューヨークに本部を置く国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は7月17日、ミャンマー政府に対して、これまでに行った農民からの違法な土地没収を速やかに是正すべきだとの報告書を発表した。

また、農民やその他の小規模土地所有者の権利を守るための法律や規制を制定するよう求めている。

HRWによると、ミャンマー政府と軍関係者は過去30年間、広大な土地を無補償あるいは不十分な補償をせずに奪取し、農民の生活や基本的なサービスへのアクセスを侵害しているという。

多くの農民は、土地没収や農業を継続できないことに対しての救済不足に抗議し、刑事訴追に直面している。

HRWのフィル・ロバートソン(Phil Robertson)氏は、
「ミャンマー全域で続く土地没収は、農村地域に何十年も深刻な影響を与えてきた」(プレスリリースより)
と状況を明らかにした。

「彼らはただ土地を奪っていった」
HRWはシャン州南部やエーヤワディ地方域、ヤンゴン地方域の農民が受けている土地没収の壊滅的な影響を文書化し、その量は33ページにも及ぶ。

農民は生計が成り立たず、保健医療へのアクセスや子どもの教育も失われている。さらに、救済措置を求めたことで逮捕されるケースもあるという。

エーヤワディ地方域のThein Win(61)氏は、
「私は何もわからない。彼らはただ土地を奪っていった」(プレスリリースより)
と政府が12エーカーの土地を家族から奪ったことを明らかにしている。

同氏は賠償も受けずに土地を奪われたことに不平を述べたが、刑務所に入れると脅されたという。

また、
「収入を得るためのビジネスや仕事がなかったので我々は飢えていた。家族は1日に2回の定期的な食事を摂るのがやっとだった」(プレスリリースより)
と悲惨な状況を明らかにした。

「ミャンマー政府は過去の違法没収の被害者を救済し、将来的に新しい法律が農民の権利を守るようにする必要がある」(プレスリリースより)
とHRWは強調している。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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