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2018-06-18 13:00

学術

ミャンマーの琥珀石から「世界最古」の熱帯雨林カエル発見

琥珀石
白亜紀中期の古代カエル
2015年にミャンマー北部のカチン州で入手した琥珀から、熱帯雨林の生態系に生息する世界最古のカエルを発見したという。

自然科学と臨床科学のあらゆる領域を対象とする1次研究論文を掲載する「Scientific Reports」に、白亜紀中期(9,900万年前)の古代カエルが含まれる琥珀石4点を直接的証拠とした論文が掲載された。

これは中国地質大学(China University of Geosciences)のLida Xing博士が率いるチームによる研究論文である。

共同研究者である米フロリダ自然史博物館(Florida Museum of Natural History)の古生物学者デイビッド・ブラックバーン(David Blackburn)博士は、
「この時期のカエルの化石を得ることはほとんどない。これらは小規模な骨を有しており、ほとんど3Dのようだ。これはかなり特別なことである」(SCIENCE NEWSより)
と価値の高さを語っている。

琥珀石の中には、カエルの頭蓋骨、前肢、骨格の一部、部分的な後肢などが肉眼でも確認できるという。

「奇跡の発見である」
カエルは約2億年前から地球に存在し、7,000種あまりいるカエルの3分の1が世界の熱帯雨林エリアに生息している。

しかし、これまで湿潤熱帯環境から両生類の化石記録はほとんど見つかっておらず、この発見は科学にとって特に価値があるという。

研究チームを率いたXing博士は、
「奇跡の発見である」(BBCより)
と語った上で、
「これらの琥珀石は、大量絶滅した白亜紀末より前にカエルが湿った熱帯雨林に生息したという直接的な証拠を提供している」(BBCより)
と失われた世界を垣間見た喜びを語っている。

研究チームは熱帯雨林に生息した最古のカエル以外に、植物、クモ、昆虫も発見したという。

なお、琥珀石の中に封印されて発見された古代カエルはすでに絶滅した種属であるため、新たに「Electrorana limoae」と命名された。

(画像はBBCより)


外部リンク

Burmese Amber Preserves 99-Million-Year-Old Tropical Frogs
http://www.sci-news.com/

World's Oldest Rain Forest Frogs Found in Amber
https://news.nationalgeographic.com/

Prehistoric frogs in amber surface after 99 million years
https://www.bbc.com/

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