2018-05-25 22:00
社会
【アムネスティ】ロヒンギャ武装集団がヒンズー教徒を虐殺と報告

8歳未満の子ども14人を含む53人を虐殺
国際人権団体であるアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は5月22日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの武装集団アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)が昨年8月、同国ラカイン州で数十人のヒンズー教徒を虐殺したと報告した。ARSAによる昨年8月25日の警察襲撃をきっかけにラカイン州は混乱に陥り、治安部隊によるロヒンギャへの殺人、強姦、拷問、村の焼き払い等が行われ、69万人以上のロヒンギャがバングラデシュへ避難するという事態に発展。
アムネスティによると、警察襲撃事件があった昨年8月25日の午前8時ごろ、ARSAの戦闘員がマウンドー郡区北部にあるKha Maung Seik村のヒンズー教徒を攻撃したという。
武装したARSAの戦闘員は数十人のヒンズー教徒数を集め、数時間のうちに男性20人、女性10人、子ども23人、計53人を虐殺。子ども23人のうち14人は8歳未満だったという。
遺体は昨年9月に発見されている。
8人の女性の証言により明らかに
ARSAの戦闘員はこの村で、8人のヒンズー教徒の女性をイスラム教徒に改宗させ、8人の子どもとともに拉致。その後数日間、女性はARSA戦闘員との逃走を余儀なくされたという。アムネスティはインタビューした8人の生存者全員が、ヒンズー教徒の親戚が殺され、悲鳴を上げるのを聞いたと語っている。
18歳の女性は、
「彼らは男性を殺した。私たちはそれを見ないようにいわれた...彼らはナイフを持っていた。いくつかの鋤(すき)と鉄の棒も持っていた...私たちは近くの木に身を隠したが、少し見えた。おじ、父、兄弟はすべて虐殺された」(プレスリリースより)
と語っている。ヒンズー教徒のコミュニティリーダーがアムネスティに提供したリストによると、他の村でも46人のヒンズー教徒が姿を消しており、ARSA戦闘員に殺害された可能性があるという。
姿を消した46人の遺体は未だ見つかっていないが、ARSA戦闘員によるものであれば計99人が虐殺されたことになる。
アムネスティの危機対応担当ディレクターであるティラナ・ハッサン(Tirana Hassan)氏は、
「ミャンマー政府はラカイン州北部へのアクセスを拒否しながら、国際社会を一方的に批判することはできない。国連事実調査団を含む独立した人権捜査官がラカイン州へ完全かつ自由にアクセスできるようになるまで、ARSAの虐殺とミャンマー軍の違反の全容は明らかにならない」(プレスリリースより)
と述べている。(画像はプレスリリースより)
外部リンク
アムネスティ・インターナショナル
https://www.amnesty.org/en/
アムネスティ・インターナショナルのプレスリリース
https://www.amnesty.org/en/news/
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