2018-04-11 21:00
社会
ミャンマーはロヒンギャ難民の受け入れ準備が整っていない:国連

「ロヒンギャ帰還の助けにはならない」
ミャンマーのイスラム系少数民族「ロヒンギャ」が迫害を受け、隣国バングラデシュへ逃避している問題でミャンマーを視察した人道問題担当国連事務次長のウルスラ・ミュラー氏は、ロヒンギャ難民の帰還に懸念を示した。ミャンマー側はロヒンギャの受け入れ準備が整ったと主張しているが、ミュラー氏は
「危機に瀕していたラカイン州北部の状況は、ロヒンギャ帰還の助けにはならない」(Frontier MYANMARより)
と主張し、現時点では、尊厳を持ってロヒンギャが自発的に帰還する助けになっていないとの見解を示した。その根拠として、ロヒンギャの人々が移動、社会的結束、生活、サービスなどへのアクセスが自由に行えないことを挙げ、これらの問題に取り組む必要性を訴えている。
また、ミュラー氏は、
「ラカイン州にまだ住んでいる40万人以上のイスラム系民族の窮状を忘れてはならない。彼らは移動の制約を受け、苦難と疎外の人生に直面し続けている」(Frontier MYANMARより)
と、ラカイン州に残された人々への支援の重要性も強調した。ミュラー氏はミャンマー訪問中、ラカイン州で最も影響を受けた地域を訪問することを許可され、国軍の上層部や事実上のリーダーであるアウンサンスーチー氏らとの会談も行っている。
「これ以上できることはない」
ミャンマーとバングラデシュは1月に2年間で難民の自発的送還を完了することに合意しており、ミャンマーは国境近くに2つのレセプションセンターを設立し、受け入れ体制を整えている。ラカイン州へのロヒンギャ帰還を支援する政府支援機関のチーフ・コーディネーターであるアウン・タン・テット(Aung Tun Thet)氏は先週、国営メディアに
「準備は整っている。建物もでき上がった。病院と診療所も準備ができている」(Frontier MYANMARより)
と語った上で、「我々はできることをした。彼らが安全だと感じなくても、これ以上できることはない」(Frontier MYANMARより)
とつけ加えた。しかし、ミャンマーの取り組みは、国連が主張する「ロヒンギャが自主的に、安全かつ尊厳を持って帰還するため」の取り組みには到達していないということなのだろう。
(画像はFrontier MYANMARより)
外部リンク
Myanmar not ready for Rohingya refugees to return, UN official says
http://www.abc.net.au/
Conditions in Myanmar 'not conducive' to Rohingya return: UN
https://frontiermyanmar.net/
UN says Burma not ready for return of Rohingya refugees
https://asiancorrespondent.com/
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