2018-01-20 22:00
政治
仏教徒によるラカイン州の抗議、地元政治家が反逆罪で逮捕

死亡者が出る暴動へ発展
ミャンマー連邦議会のスポークスマンは1月18日、ラカイン州で16日に発生した仏教徒による抗議行動で、州下院議員でありアラカン国民党(ANP:Arakan National Party)元党首でもあるエイ・マウン(Aye Maung)氏が反逆罪で逮捕されたことを認めた。ラカイン州ムラウク・ユー(Mrauk U)では18日、200年以上前に崩壊した古代アラカン王国を追悼する式典が開かれ、数千人の仏教徒が集結。
しかし、式典はキャンセルされ、仏教徒集団に怒りが沸き起こり、地元政府の建物を奪取しようと取り囲んだという。
最終的には、解散しない抗議集団に警察が発砲するまでの暴動となり、7名が死亡、12名が負傷した。
発言は歪曲された?
国営放送のミャンマーラジオの報道によると、エイ・マウン氏はアラカン王国の崩壊を追悼する式典で演説を行い、「バマール族の人々はラカイン族の人々を奴隷とみなし、我々に平等な権利を与えなかった」(FRONTIER MYANMARより)
と主張した上で、主権を取り戻すための武力闘争を促したという。バマール族とはマジョリティであるビルマン人のことで、ラカイン族はアラカン族のことである。
暴動の後、ラカイン州政府はエイ・マウン氏の発言に関して話し合い、2日後に逮捕された。
エイ・マウン氏は18日にミャンマー・タイムスにコメントを寄せ、
「私はすべての民族について話している。バマール族が我々を奴隷にしているとは言っていない。武力紛争の緊張が高まるにつれ、すべての民族グループがバマール族の奴隷のように見えるという意味で言った」(MYANMAR TIMESより)
と反論している。民族問題の専門家によると、エイ・マウン氏には支持派と反対派の両方がおり、彼に反撃することはラカイン族の人々に大きな影響を与えることになるという。
影響力のある指導者の逮捕が、新たな民族紛争へ発展しないことを祈るばかりだ。
(画像はMYANMAR TIMESより)
外部リンク
Rakhine political leader Dr Aye Maung arrested in Sittwe after Mrauk U violence
https://frontiermyanmar.net/
Myanmar arrests MP after Rakhine riot
https://www.bangkokpost.com/
Government to bring charges against U Aye Maung in wake of deadly protest
https://www.mmtimes.com/
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